4位の中央大はかなりしぶい。ひとクセもふたクセもありそうな俳優が集まった。古谷一行、滝田栄、黒部進、岸谷五朗、加瀬亮、阿部寛、長谷川博己、上川隆也、山下真司、きたろうなど。故人では丹波哲郎、渥美清らがいる。寅さん(渥美)、ウルトラマン(黒部)、金田一耕助(古谷)など、その時代のヒーローを演じていたのは記憶に残る。

 5位の青山学院大には渡哲也、勝野洋、椎名桔平、高橋克典、正名僕蔵、鈴木浩介、賀来賢人、名取裕子、麻生祐未、寺島しのぶなど。二枚目ヒーローからクセのあるバイプレーヤーまでそろう。故人では川島なお美、沖田浩之、竹脇無我なども青学出身だ。

 青学はミュージシャンの宝庫で、サザンオールスターズの桑田佳祐や原由子、槇原敬之、斎藤誠、後藤次利、原田真二、中村正人、浜田麻里などを送り出した。

 6位の成城大は、田村正和、田村亮、丹波義隆、金田賢一、高嶋政宏、高嶋政伸、石黒賢、小澤征悦、及川光博、えなりかずき、鶴田真由、木村佳乃、鈴木保奈美、山口もえ、野村佑香など。

 お坊ちゃま、お嬢さまを感じさせるのは大物2世が多いからか。ミュージシャンでは森山直太朗(森山良子の長男)、三浦祐太朗(三浦友和・山口百恵夫妻の長男)がいる。

 10位の慶應義塾大は、どことなく育ちの良さがうかがえる。加山雄三、中村雅俊、別所哲也、窪塚俊介、櫻井翔、水嶋ヒロ、檀ふみ、紺野美沙子、菊池麻衣子など。そして、俳優を休業している二谷友里恵、小出恵介も慶應大だ。

 少数派の大学を見るのも楽しい。上智大の吉田鋼太郎、東京理科大のムロツヨシ、立正大の竹内涼真、信州大の佐藤二朗、京都橘大の吉岡里帆、神戸大の佐々木蔵之介など。

 大学にとっては、出身者が俳優として活躍するのはうれしいことである。たとえば京都橘大は次のように告知していた。

「文学部日本語日本文学科の尾西正成助教が女優・吉岡里帆さんらと誌上対談(中略)大学で書道を専攻したきっかけや書の楽しさなどを語りあった」(同大学ウェブサイト2017年8月28日)。

 俳優のキャラクターは、大学のカラーを知る一つの手立てになるかもしれない。

(敬称略。本稿に登場した俳優には映画賞、ドラマ賞を受賞していない人も含まれる)

(文/小林哲夫教育ジャーナリスト)