儲からない会社が“わかっていても”できないこと (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

儲からない会社が“わかっていても”できないこと

このエントリーをはてなブックマークに追加
小山昇社長

小山昇社長

「もうちょっと頑張ったら、何とかなるのではないか」と思うかもしれませんが、一所懸命やってもなんともならないのに、これから先に好転する可能性は少ない。私に言わせれば、「何とかなる」と考える社長は、傲慢です。なぜなら、お客様を無視して、自分の都合ばかり押し付けているからです。社長は「事業から撤退できて一人前」です。

 武蔵野のダスキン事業では「東京都全域の営業権」を持っています。にもかかわらず、本社がある小金井市を中心に、「東京都の4分の1のテリトリー」の中で仕事をしています(それでも、武蔵野は、約1400あるダスキンの代理店において、日本でベスト5に入ります)。

 多くの社長は、「マーケットは広くなければいけない」と思っていますが、そんなことはありません。「売上が上がる」のと、「儲かる/生産性が上がる」のは、別の話です。

 赤字の会社の社長は、「売上が上がること」を目的にしますが、私は、売上が上がることよりも、「ひとり当たりの粗利益/経常利益」が上がることを大切にしています。なぜなら、「粗利益額」が、会社の実力だからです。

 どんなに売上が大きくても、粗利益額が、人件費などの固定費を下回ってしまえば、赤字になります。会社の利益が出るかどうかは、固定費を上回る粗利益額が出るかどうかで決まります。

 武蔵野は、営業利益額を出すために、「マーケットを広げない」と決めています。東京全域にマーケットを広げれば、それだけ移動コストなどの経費もかかるし、営業の効率が落ちて生産性がぐっと下がります。中小企業が戦線をいたずらに広げるのは、マイナスにしかなりません。

 会社の利益はシェアに正比例するので、自社と同じサイズの「小さなマーケットで大きなシェアを取る」(スモールテリトリー&ビッグシェア)のが正しい戦略です。

「あれもやりたい」「これもやりたい」ではなく、「あれもやらない」「これもやらない」と考える。「やらないこと」をはじめに決めると、自分のテリトリーが見えてくる。だから迷わない。いくつかの選択肢の中から、はじめに「やらないこと」を決め、「やる」と決めたことは、徹底的に勝つまでやる。それが儲かる会社の考え方と行動です。

(取材・構成/藤吉豊)


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい