織田裕二 (c)朝日新聞社
織田裕二 (c)朝日新聞社

■織田裕二の“渋み”で話題に

【写真】東京ラブストーリーでリカを演じた若かりし頃の鈴木保奈美はこちら

 10月からスタートした俳優の織田裕二(50)主演の月9ドラマ「SUITS/スーツ」の初回放送の視聴率が14%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を超え、話題となった。凋落が叫ばれていたフジテレビの同枠としては近年、稀に見る数字の高さだったからだ。

「今回の月9は、1991年に大ヒットしトレンディーの代名詞にもなった『東京ラブストーリー』で主演を演じた織田と鈴木保奈美(52)が共演し、放映前から注目を集めていました。フジテレビは事前に『東京ラブストーリー』を再放送し、SNSでバズらせるなど、戦略的に盛り上げていた感じを受けますね。“月曜の9時には街から人がいなくなる”と言われるほど視聴率を集めたバブル期にドラマ視聴をしていた世代にはうまく訴求できたんじゃないでしょうか。なんといっても、織田の渋みと鈴木の変わらぬ美しさには驚愕するばかりです。また、Hey! Say! JUMPの中で演技派と言われている中島裕翔(25)を織田さんのバディ役に起用したところも功を奏したといえると思います」(テレビ情報誌の編集者)

 思い起こせば、月9では2004年にも織田と「東京ラブストーリー」スタッフで臨んだ「ラストクリスマス」というドラマがあり、視聴率20%超えのヒットを飛ばしている。「SUITS/スーツ」も期待値も高いが、2回目の視聴率が11.1%、3回目は10.3%と若干落ち込み、早くもネットニュースなどでは「視聴率急落」といった指摘も出ていた。

「話題性もあったので初回はやはり高くなりましたね。それでも2桁をキープしているので、このところの月9の中ではいいほうです。まずは視聴率が安定してくるといいのですが、今クールドラマ全体の数字を比べてみると、話題になった『下町ロケット』(TBS系)や『獣になれない私たち』(日テレ系)なども微減している状態なので、どちらかというとテレビドラマ全体の傾向でしょう」(民放ドラマプロデューサー)

 一方、作品としての「SUITS/スーツ」の見どころについて、エンタメ誌の編集者はこう語る。

「近年、映画やドラマ業界で原作モノを掘り起こして実写化を進めていたりしますが、それも限界に来た。その中で、今度は海外ドラマのリメイクという路線を積極的に採用しているのがフジテレビです。その中で本作が今のところ、見やすくなっているのは、いい意味で原作と何も変えていない点です。初回だけ過去の話題性で風呂敷を広げすぎて、退屈な展開になったら視聴者は離れていきますが、原作はアメリカで制作された本格派ドラマですし、脚本の良さはお墨付き。視聴率の低下に焦って余計なことをしなければ、ラストまでこれくらいの水準で推移していくのではないでしょうか」

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あえてオーバーアクションにこだわった理由