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フェアなはずの入試が「大学病院で働く医師確保」試験に!? 女性医師が苦言

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.

8月に行われた東京医大前での抗議。前代未聞の不祥事発覚から、2カ月が経とうとしている(c)朝日新聞社

8月に行われた東京医大前での抗議。前代未聞の不祥事発覚から、2カ月が経とうとしている(c)朝日新聞社

◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

 東京医科大学において、裏口入学だけでなく、入学試験において女子受験生を一律減点し、恣意的操作を行っていたという、前代未聞の不祥事が発覚してから、早2カ月が経とうとしています。

 文部科学省は、東京医科大学の不正入試問題を受けて、全国に81ある医学部入試を調査した結果、男子の合格率が女子を上回る大学が全体の8割近くに上ることがわかったと9月4日に公表しました。これは、あくまで中間結果であり、他学部とは傾向が異なるとし、さらなる調査を行う予定だとのこと。受験シーズンが近づいてきている今、文部科学省の中間結果を踏まえて、医学部受験生の声をご紹介しながら、この問題についてさらに考えたいと思います。

 文部科学省が調査した結果によると、合否の判定に性別や年齢で違いを設ける、特定の受験生に点数を加算するなど、不正を行ったことがあると認めた大学はありませんでした。

 一方で、過去6年間の医学部入試における合格率を男女で比較した場合、女子を1とした時に男子の合格率が高かった大学は、順天堂大学(1.67)、昭和大学・東北医科薬科大学(1.54)、日本大学(1.49)、九州大学(1.43)、慶應義塾大学(1.37)など63大学、全体の77%に上っていたことが分かりました。

 文部科学省は、男女の合格率の違いには要因が様々あり、一概に問題とは言えないものの、他の学部では女子の合格率が高い傾向にあるとして、さらなる調査を実施し、10月に最終結果を公表する予定だとのことでした。

 今回の結果について、医学部合格を目指して日々勉強している、ある高校3年生の女の子は、「今回の問題を受けて、少なからず女性差別がある業界だと分かり、医師になりたいと頑張っているが、医師になるという将来に不安を感じてしまっている」と言います。

 彼女は、医学部入試において、女子が不利になりうるということは噂では聞いていたようです。けれども、まさか女子受験生を一律減点し、点数調整を行っていたというのは想像をはるかに超えていた、と話していました。


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