

東京医科大学において、裏口入学だけでなく、入学試験において女子受験生を一律減点し、恣意的操作を行っていたという、前代未聞の不祥事が発覚してから、早2カ月が経とうとしています。
文部科学省は、東京医科大学の不正入試問題を受けて、全国に81ある医学部入試を調査した結果、男子の合格率が女子を上回る大学が全体の8割近くに上ることがわかったと9月4日に公表しました。これは、あくまで中間結果であり、他学部とは傾向が異なるとし、さらなる調査を行う予定だとのこと。受験シーズンが近づいてきている今、文部科学省の中間結果を踏まえて、医学部受験生の声をご紹介しながら、この問題についてさらに考えたいと思います。
文部科学省が調査した結果によると、合否の判定に性別や年齢で違いを設ける、特定の受験生に点数を加算するなど、不正を行ったことがあると認めた大学はありませんでした。
一方で、過去6年間の医学部入試における合格率を男女で比較した場合、女子を1とした時に男子の合格率が高かった大学は、順天堂大学(1.67)、昭和大学・東北医科薬科大学(1.54)、日本大学(1.49)、九州大学(1.43)、慶應義塾大学(1.37)など63大学、全体の77%に上っていたことが分かりました。
文部科学省は、男女の合格率の違いには要因が様々あり、一概に問題とは言えないものの、他の学部では女子の合格率が高い傾向にあるとして、さらなる調査を実施し、10月に最終結果を公表する予定だとのことでした。
今回の結果について、医学部合格を目指して日々勉強している、ある高校3年生の女の子は、「今回の問題を受けて、少なからず女性差別がある業界だと分かり、医師になりたいと頑張っているが、医師になるという将来に不安を感じてしまっている」と言います。
彼女は、医学部入試において、女子が不利になりうるということは噂では聞いていたようです。けれども、まさか女子受験生を一律減点し、点数調整を行っていたというのは想像をはるかに超えていた、と話していました。