全米オープン決勝での言動が批判の的となったセリーナ・ウィリアムズ (c)朝日新聞社
全米オープン決勝での言動が批判の的となったセリーナ・ウィリアムズ (c)朝日新聞社

 2018年の全米オープンは大坂なおみが日本人として史上初めてグランドスラム制覇を果たし、多くのテニスファンを歓喜させた。また、その快挙とともに決勝戦で大坂と戦ったセリーナ・ウィリアムズが試合中にみせた“醜態”にも大きな注目が集まった。

 セリーナ・ウィリアムズは決勝戦の試合中にコーチからアドバイスを受けたとして警告を受けると、その後も自身のプレーに苛立ちラケットを叩きつけ罰則を受ける。さらに審判に「泥棒!」などと暴言を吐いたことで、ゲームペナルティも科された。そして、そのセリーナ・ウィリアムズの言動は、現地アメリカで批判の的となり、同選手へのバッシングともとれる報道が連日相次いだ。

 日本では大坂の快挙達成がかかる試合で起こった出来事であるため、セリーナ・ウィリアムズの言動により注目が集まったが、過去にはノバク・ジョコビッチやラファエル・ナダルら第一線で活躍する男子選手にも、“悪態”や“暴言”で審判を侮辱する場面があったことを忘れてはならない。

 現地10日、米国ビジネス誌『Fast Company』は「セリーナは公平に扱われていたのか? はるかに酷い行いをした“バッドボーイズ”たちに聞いてみよ」というタイトルで、セリーナ・ウィリアムズを擁護する記事を掲載した。そのなかで、過去にスター選手たちがコート上で見せた行為を紹介している。

 例えば、今年の全米オープンで男子シングルスを制したジョコビッチは過去に、今回セリーナ・ウィリアムズと“揉めた”カルロス・ラモス審判と全仏オープンで口論となり、同審判を「Crap!(クソ野郎)」と呼ぶなどして、何度も注意を受けた。さらに、ジョコビッチは今年のウィンブルドンでも、ラモス氏に怒鳴り声をあげるなど醜態をさらし、揚げ句の果てにはラケットを投げつけ、審判にボールを投げるそぶりまでみせている。

 また、ジョコビッチと同じく世界のトッププレイヤーの一人であるナダルは、2017年の全仏オープンで、これまたラモス審判を“脅した”として2度口頭で注意を受けている。このほか、アンディ・マレーもラモス氏とひと悶着があった選手の一人。2016年のリオデジャネイロ五輪での試合中にラモス氏を「Stupid!(バカ)」と呼び、コード・バイオレーションを受けた(※試合後にマレーは『the umpiring stupid〈判定がおかしい〉』と発言したと釈明している)。さらに酷いものでは、2年前のシンシナティ・マスターズで相手選手が打ったボールを審判に向かって蹴るという、セリーナ・ウィリアムズの悪態が可愛く見えるような行為までやっている。

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過去には“卑猥”な言葉を発した選手も