■1周回って女子高生の間でも人気に

 一方、ジョイマンは今、女子高生にも人気がある。YouTubeなどでの“踊ってみた”系の投稿や人気動画アプリ「Tik Tok」の動画アプリがブームとなる中で、彼らのネタを真似する動きがあるのだ。

「ジョイマンのネタは10年前には『脱力系ラップ』と言われていました。当時は今ほどラップやヒップホップが流行っていなかったので、このネタが新鮮に見えた。今はラップ自体が若者にも浸透しているので、ジョイマンのネタを今の若い人が見ると、一周回ってダサすぎて新鮮に感じられるようです。時代が移り変わったのも追い風になっている」(前出のラリー遠田氏)

 このように再ブレイクの夜明けが眼前に迫っているジョイマン。この状況について、大手芸能プロのお笑い部門のマネージャーはこう分析する。

「かつてのジョイマンのように、若手で舞台での経験が少ないままキャッチなショートネタで売れてしまうと、テレビに登場するチャンスは増えますが、リアルなお客(ライブの観客)の反応がわからないまま、同じネタを繰り返して飽きられてしまう……というのがよくあるパターンです。視聴者が求めているネタをタイミングよく出したりうまく外してトークを作っていけるかが、売れ続けるポイントだったりする。そういう点では、所属事務所の吉本興業は、劇場がたくさん持っているので、ジョイマンさんの場合は良かったと思います。どん底に落ちてから原点に立ち返り、ライブで一からネタを試し続けて、お客さんのリアクションを見ながら、間の取り方やワードチョイスなど新しい感覚を入れ込んできた。それができたのはやっぱり、劇場があってこそだと思います」

 苦労の末の再ブレイクを果たしつつあるジョイマン。しっかりと芸を磨き続けて、人気を不動のものにすることができるか。(ライター・今市新之助)