――宮川選手は速見コーチと東京オリンピックに行きたいと話していますが。

宮川選手と今まで一緒にやってきて、今こういう辛い思いをさせてしまっているというのは、すべて私に原因があると思っています。

宮川選手が辛い思いをしているということに、私の指導の力不足だし、暴力に対して間違った考えを持っていたのも事実。宮川選手に対して、どういう理由であれ、どういう状況であれ、間違った指導だったという教育を、私が宮川選手にしてあげられていない。それを今回感じて、指導者である私が、暴力という指導を正当化していたことがあります。そのこと自体が宮川選手に間違った教育をしていた、宮川選手も叩かれても仕方ないと感じていた。このことが間違った教育をしてあげられなかったので、これから時間をかけてコーチと選手のあるべき姿を作っていかなければと思います。

──暴力の時期についてですが、体操協会からは2013年9月からから2018年5月まで暴力があったと報告がありました。

僕の認識のなかでは、2018年5月は怒鳴ったことだったと思います。今現在の認識としては、どこからが暴力かということに対して、周りの選手・コーチが嫌な思いや恐怖を感じているということが暴力だと思っています。(体操協会から指摘された)事実はすべて受け入れて、今後、反省していきたいと思います。

──オリンピックまで後2年しかありませんが。

東京オリンピックに向けて私が処分を受けていることは、100%良い環境でないと思う。宮川選手が(速見コーチの指導を)一番望んでいるのも事実。なんとか宮川選手が望む形を実現したいとできる限り考えているのもあります。それにあたって、女性のコーチだったり、トレーナーさんだったり、私一人で育てるのではなくて、周りの環境をどう整えてあげるかが大切だなと思います。

(文/西岡千史・AERAdot.編集部)