塚原千恵子氏 (c)朝日新聞社
塚原千恵子氏 (c)朝日新聞社
5日17時、都内で会見を開いた速見佑斗元コーチ(撮影/西岡千史)
5日17時、都内で会見を開いた速見佑斗元コーチ(撮影/西岡千史)

 5日17時、体操女子リオデジャネイロ五輪代表、宮川紗江選手(18)への暴力行為について、宮川選手を指導していた速見佑斗元コーチ(34)が謝罪会見を開いた。会見は約100分にわたり、後半では塚原千恵子女子強化本部長(71)、夫の光男副会長(70)らによるパワハラがあったと認め、コーチ陣からは「恐怖の対象だった」と明かした。主な一問一答は以下の通り。

【写真】都内で会見を開いた速見佑斗元コーチ

*  *  *

――コーチの間には、現在の体制への不満があったのでしょうか。

宮川選手も言っていましたが、私を含め、たくさんのコーチが強化本部長の塚原千恵子先生という立場で、どうしても自分たちが思っている意見が怖くて言えないという現状がたしかに存在します。私だけではなく他のコーチも「(意見を)言ったら何かされるのではないか」「意地悪されるのではないか」と怖くて言えないことがありました。事実として、(宮川選手に)制限がかかったとか、海外派遣がなかったという事実があるので、やっぱり言うことを聞かないとまずい、優遇してもらえないという意識を多くのコーチが抱いているのは事実です。

――塚原本部長に対する現場の反発はどれくらいあったのですか。

統計を取ったわけではないので正確にはわかりませんが、実際に私の周りのコーチの中で現場の声として感じるものは、多くが怖くて何も言えないと感じていることだと思います。

――実際、そう考えているコーチがどのくらいの数なのかによっても変わってきますが。

ナショナルチームに関わっていないチームの方々は感じたことはないと思いますけど、ナショナルチームの中では、「現場のコーチがやろうとしていることを、みんなの思いとしては聞いて欲しい、吸い上げて欲しい、一コーチとしての意見を尊重してほしいという思いはみんな持っているのではと思います。。

――現体制を刷新してほしいという気持ちはありますか。

体制が変わることが、どうなるのかはわからないので。一人ひとり、強化本部長もコーチも選手も、みんな純粋に一生懸命上を目指しているのは事実なので。十人いれば十人、考え方も指導のプログラムもプランも違うので、一人ひとりを尊重しながら話し合えるような環境になってほしいというのが、現場の意見としてかなりありました。

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塚原氏の言動、二転三転し困惑