葵祭の斎王代、祇園祭のお稚児さんは名家じゃないとNG?学生バイトは鰻弁当つき 京都3大祭りの“秘密” (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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葵祭の斎王代、祇園祭のお稚児さんは名家じゃないとNG?学生バイトは鰻弁当つき 京都3大祭りの“秘密”

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下鴨神社の糺(ただす)の森を進む斎王代=2018年5月15日午前11時59分、京都市左京区、佐藤慈子撮影 (c)朝日新聞社

下鴨神社の糺(ただす)の森を進む斎王代=2018年5月15日午前11時59分、京都市左京区、佐藤慈子撮影 (c)朝日新聞社

しめ縄を太刀で切る長刀鉾の稚児=2018年7月17日午前9時23分、京都市下京区、佐藤慈子撮影 (c)朝日新聞社

しめ縄を太刀で切る長刀鉾の稚児=2018年7月17日午前9時23分、京都市下京区、佐藤慈子撮影 (c)朝日新聞社

祭礼アルバイト募集の掲示(撮影/小林幸帆)

祭礼アルバイト募集の掲示(撮影/小林幸帆)

ちまき売りのアルバイト募集(撮影/小林幸帆)

ちまき売りのアルバイト募集(撮影/小林幸帆)

 費用負担はというと、まことしやかに流れる噂だと1000万~2000万。ただ、選ぶ上で優先されるのは財力ではなく町との関わりの深さだ。

 前出の天野教授は、「お金のこともあるけれど、京都に代々根差した人でないとやりにくいし、山鉾の運営に関わる町の人が納得しない」と話す。

 お稚児さんを出した家と付き合いがある地元の人からはこんな話も聞かれた。

「結果的に費用を負担できる余裕があり、しかもお稚児さんを出したことがプラスとなるような家が選ばれる。お商売をしていれば名前が出ることで『やっぱり○○は違うよね。さすが老舗やな』と直接間接的に宣伝にもなる」

 町の発展に貢献してきたところから選んだ結果、大きな出費もまかなえる家だったということで、さらに言えば、選ぶ方も受ける方もメリットがあるからこそ、ここまで続いてきたのだろう。

 選ばれし主役になれなくても、参加できるのが京都の祭だ。

 三大祭りに欠かせないのが大量の学生アルバイト。すでに1950年代には定着しており、よく知られているのは衣装を着て練り歩く“祭礼行列員”。簡単にいえば仮装エキストラで、他に売り子や軽作業などもある。

 私も学生時代を京都で過ごしたが、大学が募集をかけるため1回生の時はクラスの男子が集団で参加していた。残念ながら20年前当時の参加型は男子限定。女子の私は沿道の店の臨時手伝いに雇われ、道をたずねに来る観光客をさばくという冴えない役しか当たらなかった。ただ、最近は巫女など女子学生向けも出るようになったというからうらやましい。

 祇園祭を迎え、京都大学構内掲示板にも“祭礼アルバイト”の求人案内が何枚か貼ってあった。募集内容と待遇はこんな感じだ。

『花傘巡行行列』
草履を履いて行列に参加、男子学生のみ50名、07:00~12:30(休憩60分)
給与5,500円(雨天中止の場合は1,000円支給)、交通費500円、食事支給

『ちまき売り雑役4日間』
男子学生のみ各日10名(連続勤務を希望)、08:00~23:00または24:00(休憩2時間=無給)
時給1,000円(22:00以降および8時間超は25%増)、交通費500円、昼夜食支給

 雑役は、その響きにも押されない4日連続(※推奨)1日13、14時間労働のハードモード。平安裏社会が体感できそうだ。

 これらのバイトに共通する注意事項として「係員の指示に従い厳粛な行動を取ること」、「茶髪不可」、「無断欠勤厳禁(やむを得ず従事できない場合は、必ず代理人を立てて連絡すること)」などが並ぶ。


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