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「今でもひな壇に馴染めない」山里亮太がダメな部分をあえて直さない理由

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澤田憲dot.#朝日新聞出版の本#読書
山里亮太さん(撮影/門間新弥)

山里亮太さん(撮影/門間新弥)

「山ちゃん、時々面白いこと言うからお笑いやってみたら」

 小学校時代の親友が放った、何気ない一言。しかしその言葉は、「いつか何者かになりたい」と夢見ていた、幼き日の山里少年の心に、深く突き刺さった。

「僕って、時々面白いんだ……!」

 この、ふんわりした自信をきっかけに、山里亮太さんは、お笑い芸人への道をひた走ることになる。


「張りぼての自信」。山里さんは、芸人を目指し、芸人を続けるためにしてきた努力の成果を、自虐を込めてこう呼ぶ。例えば、著書『天才はあきらめた』には、こんなエピソードが書かれている。

「バスケ部で『ボイスリーダー』っていうよくわからないポジションを任されたけど、オリジナルで作った応援が評判になって、他校の生徒がわざわざ観に来た」

「ばれずに悪口を言うために先生につけたあだ名が結構ウケた」

「電車で友人と話していたら後ろの女の子が笑っていた」

 どんな些細なことでも、山里少年は心に小さな自信を張り付けていった。こうしてできた「張りぼての自信」。それは「時々面白い」ことしか取り柄がなかった山里さんが、お笑い芸人を目指す上で、なくてはならないものとなった。

「今でもそうですが、当時から僕は、やること全てに『笑い』に関する意味付けをしていました。例えば、映画とか漫画とか、遊びにカウントされるようなことでも、観終わった後に『面白いと思ったワードをノートに10個書き出す』とか。そうすると遊んだことの罪悪感も薄まるし、『常にお笑いのことを考えてる俺ってすごい!』って自信にもなるじゃないですか」

 単なるこじつけと侮るなかれ。自分の行動をしっかり目的に結び付けて、ほめてあげる。こうしてコツコツと貯めた「自信貯金」は、壁にぶつかるたびに効果を発揮した。本物の天才に完敗したとき、期待されていないと感じたとき、客の前でスベッたとき……。

「俺ってダメだなあ」と落ち込みそうになるたびに、山里さんは自信貯金を少しずつ切り崩して、前向きさを失わないようにしてきたという。



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