「あったの。監督や多くのプロデューサーや音楽監督など、沢山の人との面接があったの。歌も重要な要素で、私はこれまで映画で歌ったこともなかったから。オーディションでは共演者と一緒に、映画に挿入されるABBAの曲をうたったの。また脚本の中から幾つかのシーンを選び、監督の前で読んだりもしたし。しっかりオーディションがあったのよ」

――映画で歌うのは初めてということですが、演劇学校で歌も習得したそうですが、あなたの音楽経歴について教えて下さい。

「子供の頃からずっと歌っている。歌は大好きでミュージカル俳優を職業にしたいと思っていた。演劇学校に入ってから、演技に興味が移って、歌は2の次になったの。10年ほど前に演劇学校を卒業してからというもの、あまり歌う機会はなかったわ。だからこの役のために歌に専念するのは、私にとってはかなりの大事件だった。ABBAの曲は歌うのがとても難しい。音域も広く、声量も必要で歌うのが大変なの。それは挑戦だったけれど、歌うのは凄く好きなので、苦痛ではなかった。家でもいつも歌っているから。幸せでも不幸せでも、とにかくいつでも歌っているのよ(笑)」

――この映画がミュージカルであり歌が非常に大切であるという点に関して、どう感じましたか?

「ちょっと怖かったわ。ここ数年、仕事がすごく忙しくて、この役が決まったときも『ベイビー・ドライバー』のプレス・ツアーをやっていた最中だったの。そのプレス・ツアーが終わってすぐに、この映画のリハーサルに直行することになった。だから歌のレッスンを受けたり、1人で準備する時間がなかったの。そしてリハーサルが始まった数週間後には、アバのベニーと一緒にスタジオで歌の録音が始まったの。それは凄く大きなプレッシャーを感じた。もっと時間をもらえたらなあ、と感じたの。でもリハーサルが始まってからは毎日、歌ったから、レコーディングまでには調子をつかんだわ。また『ベイビー・ドライバー』のプレス・ツアーの期間も喉をいたわり、アバをノンストップで聞いて曲を覚え準備をしたの」

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