霞が関、永田町ではゴールデンウイークの連休前から、「オウム死刑囚の執行が近い」と話題になっていた。当時、事件を追ったジャーナリストの有田芳生参議院議員はこう疑問を呈する。

「国会でモリカケ疑惑の追及が激しくなった時期からオウム死刑囚らの死刑執行が話題になったので、これまで何度も法務省幹部らから状況を聞いたが、世論が沸騰するのは間違いなく、『強い法務大臣の下でないと難しい』などと話していた。だが、今朝、マスコミにリークして7人の死刑執行を敢行した。なぜ、このタイミングだったのか」

 立憲民主党など野党6党・会派は、森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、佐川宣寿前国税庁長官が3月の証人喚問で偽証にあたる証言をした可能性が高いとし、議院証言法違反容疑で告発すべきと主張していた。麻生太郎副総理兼財務相、安倍晋三首相の責任追及と併せて、森友問題を引き続き追及する構えだった。

「安倍内閣への不信任案の提出、IR法案の審議などで国会はこれから山場を迎える。日本代表の敗退でW杯もひと区切りとなり、国会での審議が注目される時期でもあった。しかし、今回のオウム死刑囚の死刑が執行で報道はそれ一色になり、国会での審議はほとんど報じられなくなる。死刑執行のタイミングには疑問を感じざるを得ない」(前出の有田議員)

 安倍首相は今朝、記者団の呼び掛けに無言だったという。

(AERAdot.編集部・西岡千史、福井しほ、森下香枝)

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