ゾクッとしたり、ブルッとした人がいるであろう。続けよう。

 二つ目の方法は1999年、スウェーデンの生物学者スザン・ウイーグ・メサクさんが発明した「プロメッション(Promession)」と呼ばれる。イタリア語のpromessa(プロミスの意)に由来している。

 こちらは、遺体を液体窒素に浸したあと、マイナス196度に約2時間保持して凍結させて、解体しやすくする。その後、振動(音波)を用いて遺骨を遺灰に粉砕する。しかし、この時点では遺灰は水分を含んでいるので、空中に蒸気として蒸発させる。

 製法としては「フリーズ&ドライ」。遺灰は6~12カ月かけて、埋められた周囲に少しずつ栄養分を放ちながら、完全に土に戻る。グリーン・ベリアル(Green Burial. 自然に還る埋葬)や「氷葬」とも呼ばれる。

 プロメッションは、現時点ではまだ実用に至っていないが、時間の問題と思われる。

 世界は紛れもなく、燃焼排ガスを出し過ぎる火葬、場所を取り過ぎる土葬に取って代わる方法として、これら二つへ手を延ばしている。海外で流行したものが、どのみち日本へ上陸する傾向は避けられず、着実に私たちにも忍び寄っている。

 これから生まれてくる人たちは、グリル(火葬)より、ボイルかフリーズドライで処理されるほうがよい、と自然に考えるであろう。ただし火葬の時代を生きてきた世代は、何としても火葬に拘るかもしれない。