目標を見つけた生徒は、本当に変わりますよ。卒業式に招待した中学の先生に、「あの子がこんなに元気で明るくなるとは」とびっくりされたこともありました。子どもがやる気を取り戻す姿に触発されて、親も変わっていきます。壊れてしまった家族が再生していく姿を何回も見てきました。開校から25年が経ち、いままでの基本的な学校の在り方は間違っていなかったと確信しています。

――80歳を超えたいまも新たな挑戦を続けている。その原動力とは。

 いったん高校生活をあきらめた生徒たちが、ハンディのあるマイナスの状態から復活するには、普通よりもエネルギーが必要です。年をとると体力もやる気も落ちてきますが、私自身も、そういった生徒の姿から力をもらっているんです。子どもたちとともに、これからも挑戦を続けていきます。

◯みうら・ゆういちろう
1932年、青森県生まれ。プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長。ミウラ・ドルフィンズ代表取締役。85年、世界七大陸最高峰のスキー滑降を達成。2013年、80歳で3度目のエベレスト登頂(世界最高齢登頂記録更新)。記録映画、著書、写真集多数。