『午後の紅茶』炎上でわかった柳原可奈子、横澤夏子ら女芸人の文脈を読む技術 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『午後の紅茶』炎上でわかった柳原可奈子、横澤夏子ら女芸人の文脈を読む技術

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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柳原可奈子さん (c)朝日新聞社

柳原可奈子さん (c)朝日新聞社

横澤夏子さん (c)朝日新聞社

横澤夏子さん (c)朝日新聞社

 4月26日、キリンビバレッジ株式会社がツイッターの公式アカウントから『午後の紅茶』を飲んでいそうな女性を揶揄するようなイラストを投稿したところ、「顧客をバカにしている」などと批判が殺到。5月1日、キリンビバレッジ株式会社は該当ツイートを削除して、謝罪文を発表した。

【ネタで炎上したことがない?横澤夏子さん】

 問題となったツイートでは、『午後の紅茶』のユーザーを「午後ティー女子」と名付け、それを「モデル気取り自尊心高め女子」「ロリもどき自己愛沼女子」などと4種類に分けてイラストにしていた。それぞれのイラストの中にはそれぞれの細かい特徴を示す注釈が加えられていた。例えば、「モデル気取り自尊心高め女子」であれば「太ってないのに太ったと連発する」「冬でも夏でもスタイルのわかる服を着る」といった具合だ。

 このように特定の女性の生態を描くネタは、お笑いの世界では決して珍しいものではない。例えば、柳原可奈子や横澤夏子はこの手のネタを得意としている。彼女たちは、日常の中で無意識のうちに人間観察をしている。そこでちょっとした女性の仕草や口癖に引っかかりを感じたら、それをベースにしてネタを作っていく。

 女性の自意識が無防備に外に漏れ出る瞬間を彼女たちは決して見逃さない。時には「さすがにそんなヤツはいないだろ」というところまでデフォルメを加えて演じることで、笑いを誘う。

 彼女たちがそういうネタを演じて「炎上した」「反感を買った」という話は今まで聞いたことがない。皮肉の次元を超えて、悪意がややむき出しになっているように見えるネタであっても、あくまでも「笑えるもの」として消費され、批判の対象にはならない。

 なぜなら、そこには適切な「文脈」というものがあるからだ。女性芸人が不特定多数の人を笑わせるために演じる「ネタ」と、企業が商品PRのために公式アカウントで発信する「投稿」は、その表現が置かれている文脈が異なるのである。

 問題となったイラストの制作に携わっていたのはイラストレーターのつぼゆりである。彼女はさまざまな女子の生態をシニカルなタッチで描くイラストで人気を博していた。女性や恋愛に関する著書の多い恋愛アドバイザーのDJあおいとの共著『DJあおい×イラストレーターつぼゆりの発酵女子カルテ』(主婦の友社)も出版している。



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