元阪神・クルーズ (c)朝日新聞社
元阪神・クルーズ (c)朝日新聞社

 いよいよオープン戦が開始されたプロ野球。シーズン開幕へ向けて調子を整え、勢いをつけたい選手たちだが、過去にはオープン戦で大活躍しながらも“オープン戦だけ”に終わってしまった選手たちもいる。近年、そんな“肩透かし”に終わってしまった男たちの事例を振り返ってみたい。今回は「外国人選手編」である。

■クルーズ(阪神、2001年)

 プエルトリコ出身のプルヒッター。新大砲としての期待を受けて阪神に入団すると、オープン戦では快音を連発して計19試合で打率.385、7本塁打、14打点で「オープン戦3冠王」に輝いた。この活躍ぶりに「バースの再来」と騒がれ、さらに開幕2戦目の巨人戦で来日初アーチを放ったが、その後は低めの変化球にバットが一向に止まらずに三振の山。「当たれば飛んだ」が、確実性を欠き、シーズン途中のケガもあって最終的に70試合出場で14本塁打も打率.234の不振にあえぎ、1年限りで退団する。2003年に中日に入団して再来日して再びオープン戦で活躍したが、シーズン開幕後は例のごとく変化球攻めにあって打率.222と期待外れに終わった。

■キンケード(阪神、2004年)

 米国代表としてシドニー五輪での金メダル獲得に貢献したスラッガー。2004年に来日すると、春季キャンプから逆方向に一発を放り込むなど剛柔兼ね備えたバッティングを披露し、オープン戦では打率.400、2本塁打、5打点の活躍を披露した。内外野に加えて捕手もこなせる万能性でも大きな期待を背負ったが、ホームベースぎりぎりに立つ打撃フォームも影響して死球を連発。「頭部死球」に「死球取り消し」などを経て、5月に左手に死球を受けたことによる骨折で戦線を離脱しまう。結局、出場26試合で打率.233、3本塁打、7打点でシーズン終了。高いポテンシャルは持っていたはずだが、計12死球の“当たり屋っぷり”が足枷になった。

■レイノルズ(西武、2014年)

 2006年のドラフト1巡目(全体2位)でロッキーズに入団した身長201センチの長身右腕。先発ローテとして期待され、オープン戦では3試合に登板して1勝0敗で、12球団トップとなる防御率0.53の好成績を残した。だが、開幕後は打線の援護を欠いたこともあって開幕5連敗を喫し、0勝5敗、防御率5.52で、5月に伊原春樹監督から「使えない」と2軍降格。再昇格後、7月末から3連勝を飾ったが、8月23日の日本ハム戦で2回8安打7失点の大炎上。結局、シーズン12試合に登板して3勝7敗、防御率5.46と期待に応えられず、在籍1年のみで退団となった。

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昨年のロッテ“助っ人コンビ”も…