去就に注目が集まる村田修一 (c)朝日新聞社
去就に注目が集まる村田修一 (c)朝日新聞社

 キャンプも終盤戦に入り、今週末からはオープン戦も始まる今年のプロ野球。しかし例年以上にこの時期になっても去就が決まらない選手が多い。

 日本球界での実績で見ると、その筆頭格は二度の本塁打王に輝き、通算1865安打をマークしている村田修一(前巨人)になるだろう。キャンプ前の1月下旬にはNPB球団の誘いがなければ、独立リーグも視野に入れていると報道された。だが、その後の動向は全く聞こえてこない。このままではシーズン開幕までのNPB球団への入団は厳しいのが現状と言える。

 過去には2011年の中村紀洋のように、チームに所属せずにNPBへ復帰した例もあるが、実戦感覚や精神的な緊張感を保つためには、本人が示唆した通り、独立リーグでプレーする方がメリットは大きいように感じる。そこで村田がNPB復帰を果たすためには、どのリーグ、どのチームが最適なのかを考えてみた。

 国内の独立リーグは四国アイランドリーグPLUS(以下四国)の4球団とルートインBCリーグ(以下BC)の10球団、ベースボールファーストリーグ(以下BFL)の3球団、合計17球団が存在している。村田がNPB復帰を目指してプレーするのであれば、下記の条件を満たすことが必要になるだろう。

1、NPB復帰の判断材料となるレベルの高さ
2、NPB球団へのアピールの場
3、村田の状態を維持できる首脳陣

 1と2の条件でまず引っかかるのがBFLの3球団だ。昨年のドラフトで兵庫の田中耀飛(楽天)が初めて支配下での指名を受けたが、選手の給料は基本無給ということもあって、四国とBCに比べてレベルは落ちる。昨年、井川慶(前オリックス)がBFLの兵庫でプレーしているが、11勝0敗、防御率1.10という圧倒的な数字を残せたこともリーグのレベルを物語っていると言えるだろう。また球団数、試合数が少ないこともアピールの場として不足していると言わざるを得ない。

 残すは四国とBCの14球団になる。両リーグの優勝チームによって行われるグランドチャンピオンシップの過去5年間の成績を見ると四国が3勝、BCが2勝とそのレベルは拮抗している。2のアピールの場という意味では、今シーズンの両リーグの日程は未発表だが、昨年の実績で見ると四国は前期34試合、BCは前期35試合とこちらも大きな差はない。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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