ソフトバンク、“高額年俸”を実現する驚異の球団経営 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ソフトバンク、“高額年俸”を実現する驚異の球団経営

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喜瀬雅則dot.
ソフトバンクの孫オーナー(左)と工藤監督 (c)朝日新聞社

ソフトバンクの孫オーナー(左)と工藤監督 (c)朝日新聞社

 ソフトバンクは昨季までの10シーズンで5度のリーグ制覇、4度の日本一に輝いている。2011年にはFA宣言した内川聖一を、2016年にはメジャーから復帰の和田毅を獲得するなど、ビッグネームの大型補強も積極的に行っていく一方で3軍制を稼働させ、千賀滉大や甲斐拓也のように育成選手からタイトルホルダーへ、そして日本代表入りするまでに成長させるなど、生え抜きの新戦力も続々と生み出している。

 レギュラー、主力級のレベルの高さはもちろん、育成システムの充実ぶりでも、いまや他球団の追随を許さない。こうした動き、さらにはシステムに裏打ちされたその揺るぎない強さは企業努力の証しとも言える。とはいえ、強過ぎるチームに対してはやっかみが起こるのも勝負の世界の常である。ソフトバンクを表現する「金満球団」というフレーズには、決してポジティブな響きは感じられない。

 2年ぶりの日本一奪回を果たした直後の昨年11月24日のことだった。福岡市内のホテルに球団を物心両面で支えてくれるスポンサーが一堂に会した「オフィシャルスポンサー感謝の集い」が行われた。その席上で流された孫正義オーナーのビデオメッセージは、カネに任せた戦力補強で優勝したという世間の揶揄に対する同オーナーの反発とも言える内容だった。

「金満ソフトバンクと言われますが、球団の黒字経営の中から選手らに還元しています。金満うんぬん言う人がいますが、言わせておけばいいんじゃないかと思います」

 生まれた利潤を、再び投資に回す。その拡大経営は資本主義社会における健全な、そして当たり前の論理とも言える。かつて、球団経営は儲からない代わりに、赤字は親会社の広告宣伝費として処理できるという税制上のメリットばかりが強調された時代があった。しかし、今やスポーツビジネスは、親会社からの援助ありきという旧来の「プロ野球型球団経営」ではとうてい成立しなくなっている。

 オリックスと近鉄の球団合併に端を発し、1リーグ10球団構想を推し進めようとしながら結局は頓挫した「球界再編」の嵐が吹き荒れた2004年。ソフトバンクがダイエーから球団を買収したのも、その年のオフのことだった。1980年代から90年代にかけ、ダイエーは小売業の覇者として日本社会を席巻していた。ドーム、それに隣接するホテルと商業施設を造り、博多の地で、球団を核に、その「3点セット」を効果的に絡み合わせる多角的なビジネスを積極的に展開していた。



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