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記事を書いたら、祈る がんと闘う記者が考えた

連載「がんと闘う記者」

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

野上祐(のがみ・ゆう)/1972年生まれ。96年に朝日新聞に入り、仙台支局、沼津支局、名古屋社会部を経て政治部に。福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、がんの疑いを指摘され、手術。現在は抗がん剤治療を受けるなど、闘病中

「どっちも同じじゃないですか」と言っても、「全然違う。あなたはわかってない」と彼女も譲らない。「傲慢」と批判され、どこか痛いところを突かれたような感触が残った。

  ◇
 こんな20年近く前の、とりとめのないやりとりを持ち出したのは、先日、がん患者から見た参院選のことをコラムに書いたからである。

 医師によるインフォームド・コンセント(説明と同意)のように、与野党が自らの政策のリスクも明らかにしたうえで必要性を説くようになれば、有権者はもっと判断しやすくなる――といった内容だ。

 たくさん感想をいただいた。興味深かったのは、読んだ人たちの受け止め方が様々だったことだ。

 ある後輩記者は「アベノミクスのリスクを語ろうとしない安倍政権に対する、本質的な批判ですね」と言った。

 当事者たちからも声が寄せられた。

 内閣府副大臣としてアベノミクスの成長戦略づくりに関わった自民党衆院議員の平将明さんは「いまの政策の訴え方では、有権者が比べられないと私も思っていた」。一方、民主党で春まで政調会長をしていた細野豪志さん(現・民進党)も「たしかに、今回の選挙では誰も自らの政策のリスクを語らなかった」とフェイスブックで振り返った。その目線は政権だけでなく、身内にも向けられているように感じた。


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