年齢差39歳。親子ならごく普通だが、コンビとして日常的に行動するとなると、それなりに日常で困ることも起きるという。ある日、ライブ会場に行く際にこんなことがあったとサッチィーさんは言う。

「歌舞伎町でライブがあったんですが、ラブホテル街を通らないといけなくて。その時は、凄い変な目で見られましたね。だから、敢えて大きな声で『あそこのセリフなんだけどさ~』とか言って、コンビなんだぞってアピールしながら早歩きで通過しました」

 また、父であるティーチャさんは御歳82歳。そのため、日常やネタ合わせでも苦労がある。

「まず、膝に疲れが溜まるんですよ、だから階段登っていると突然、膝が突っ張っちゃって動かなくなるでしょ。それで暫く止まっていると、また動くようになる。これには参っちゃいますね」

 若手芸人の移動は、電車や歩きが基本。そのため、日頃から体調管理は徹底し、外出時は万歩計を持ち歩く。

「渋谷でライブがある時は、街を歩き回って1万歩は歩いていますよ」

 自慢気に話すティーチャさんに、「それ徘徊でしょ」と横槍を入れるサッチィーさん。

「セリフはすぐに覚えられるんですがね」というティーチャさんに、「ただ、すぐに忘れるんですよ」見事にサッチィーさんが突っ込む。

 確かにネタをやる上でセリフを忘れるのは御法度。しかし、そこは劇団で場数を踏んできたティーチャさん。

「セリフがとんでも不思議と無言になることはないですね、なにかしら言葉が出てきますから。だから、動揺はしないですよ」

「いや、ティーチャー胸張って言うことじゃないから、セリフとばさないのが大前提だからね」

 もはやネタなのか介護なのか、そこが2人の持ち味なのかもしれない。そして、ティーチャさんは、物忘れ対策として、最近脳トレを始めたという。それは、ある女優さんを頭に浮かべては名前を思い出すという行為である。

「ほら、顔は浮かぶけど名前が出てこないっていうのがあるでしょう。だから、私は、女優の剛力彩芽さん。あの人が、顔は浮かぶけど名前が出てこなかったから、最近は彼女を頭に浮かべては、剛力彩芽と口にする。この行為を1日3回はやるようにしています。これがね、効くんですよ」

「それ脳トレになるの?」そのツッコミはなかった。

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2人のファンからは、なかなか珍しいものが届く