DeNA躍進の立役者となったロペス (c)朝日新聞社
DeNA躍進の立役者となったロペス (c)朝日新聞社

 優勝のためには欠かせない戦力として考えられている外国人選手。その傾向は例年変わることなく、チーム編成上の大きなポイントであることは間違いない。そこで2017年シーズンの外国人選手の活躍度について振り返ってみたい。今回は広島が連覇を果たし、クライマックスシリーズではDeNAが下克上を見せたセ・リーグ編だ。

【広島】
2017年外国人選手活躍度:B
来季の外国人選手展望:B

・外国人投手合計成績
110試合10勝6敗2セーブ32ホールド

・外国人野手合計成績
208試合134安打38本塁打107打点0盗塁

・外国人選手MVP:エルドレッド
116試合91安打27本塁打78打点0盗塁 打率.265

 エースとして期待されたジョンソンが体調不良の影響で6勝に終わったものの、ジャクソンはセットアッパーとしてチームトップの30ホールドをマークしてプルペンを支えたのは大きかった。野手もエルドレッドが変わらぬ長打力を発揮。またカープアカデミー出身でシーズン途中に支配下登録されたバティスタが61試合の出場ながら11本塁打をマークしたことも大きかった。

 複数年契約を結んでいるジョンソンとエルドレッドは残留。ジャクソンもメジャー復帰の噂はあるが、契約更新の可能性が高い。年齢的にエルドレッドに過剰な期待はかけづらいが、バティスタに加えて二軍で首位打者を獲得したメヒアが控えているのも頼もしい。外国人選手も育成が機能し始めている印象だ。

阪神
2017年外国人選手活躍度:A
来季の外国人選手展望:A

・外国人投手合計成績
160試合22勝15敗37セーブ42ホールド

・外国人野手合計成績
61試合40安打6本塁打28打点0盗塁

・外国人選手MVP:ドリス
63試合4勝4敗37セーブ5ホールド 防御率2.71

 何といっても貢献度が高かったのが投手の三人。先発のメッセンジャー、セットアッパーのマテオ、クローザーのドリスだ。メッセンジャーは打球を受けて終盤に離脱したもののチーム2位の11勝をマーク。防御率2.39もキャリアハイで、年齢的な衰えは全く感じられない。マテオとドリスの二人も150キロを楽に超えるスピードボールで打者を圧倒し、強力リリーフ陣を支えた。一方の野手陣は中軸として期待されたキャンベルが全く戦力にならず、シーズン途中に加入したロジャースも平凡な成績に終わった。

 強力な投手三人は来季も残留で期待できるが、やはり気になるのは野手陣。韓国球界で2年連続30本塁打100打点をマークしているロザリオ獲得が有力視されているが、打線の起爆剤になるような選手が必要なことは間違いない。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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