西山昭彦(にしやま・あきひこ)一橋大学社会学部卒業、東京ガス入社。東京ガス都市生活研究所長、法政大学大学院客員教授、東京女学館大学教授を経て、2013年4月から現職。年間200人以上の学生と面談し、就職活動の支援をしている(撮影/大野洋介・写真部)
西山昭彦(にしやま・あきひこ)
一橋大学社会学部卒業、東京ガス入社。東京ガス都市生活研究所長、法政大学大学院客員教授、東京女学館大学教授を経て、2013年4月から現職。年間200人以上の学生と面談し、就職活動の支援をしている(撮影/大野洋介・写真部)

 自分の希望する企業に就職するためには、大学入学後、早い時期からの準備が必要といわれる。AERAムック「就職力で選ぶ大学2018」(朝日新聞出版刊)で、「就職支援のエキスパート」である西山昭彦氏(一橋大学キャリア支援室特任教授)にどのような学生生活を送れば内定に結びつくのかを聞いた。

■理系か文系か、受験時にしっかり選ぶ

 わたしは10年ほど前から、首都圏の私立高校で「高校2年から始めるキャリアプラン」と題した特別講義をしています。そこで話しているのは、大学進学にあたって、文系学部か理系学部かをしっかり選ぶことの重要性です。学部と採用とが直結せず、就職先の選択を大学入学後に先延ばしできる文系に比べ、理系の場合は専攻する学科によって進路がほぼ決まってしまうからです。

 たとえば、建築学科であれば建設会社や建築事務所といったように、就職先がある程度決まってしまいます。将来、建築の道に進みたいと思っている人はそれでもいいでしょう。なかには「数学の成績がいいから」との理由で、先生や親から理系を勧められて受験し、大学に入って「自分のやりたかったこととは違った」と悔やむ人もいます。理系に進学しようと思う人は、専攻科目を一生の仕事にする覚悟を持つ必要があります。

 文系に入学した人は、大学1年の終わりに「キャリア仮説」を立ててください。どんなところに就職して、どんな仕事をしたいのか、ある程度の方向性を考えておきます。この段階では企業の業種よりも仕事の内容を絞っておきます。

 会社での仕事の内容を、(1)企業相手の法人営業部門(2)商品の販売戦略などを練るマーケティング部門(3)法務や経理などの間接部門に簡略化して、このなかから選ぶようアドバイスしています。それぞれ求められる能力は違います。活動的で、運動部出身などの人は法人営業向き。音楽やファッションなどこだわりの趣味を持つ人はマーケティングに向いています。堅実でまじめな人は間接部門向きといえるでしょう。

次のページ
学生時代は5つのキーワードを意識せよ