苦手な相手の嫌な行為をやめさせて味方にしたいが、通常の方法では切り抜けられないようなとき、この方法はおすすめだ。ポイントは、険悪になりそうなときほど何らかの形でコミュニケーションを取るべきだということ。

 最悪なのは、苦手意識を持つあまりに、必要なときにもかかわらず、一切コミュニケーションを取ろうとしないことだ。

 最悪の時期にコミュニケーションを断つことほど危険なことはない。険悪なときに話さないと、あるのはお互いに対する最悪のシナリオを前提とする深読みしかない。最悪のシナリオを前提とする相手への深読みが始まれば、事態はエスカレートする一方となる可能性が高い。

 危機的状況であればあるほど、たとえ合意できないことがわかっていても、コミュニケーションを取り続けることで過剰な深読み合戦を避けることはできる。過剰な深読み合戦のループに入ってしまうと、相手の悪意のない何気ない行動さえも"悪意ある行為"と深読みしてしまいがちだ。そうなると悪化した関係は悪い方向にエスカレートしてしまい、最後は衝突してしまいかねない。

 嫌いな人と険悪になりつつあるときこそ、無理して親しく話す必要はないが、頻繁にコミュニケーションを取り、それ以上関係を悪化させないことだ。最悪、顔を合わせておくことだ。無理に言葉を発しなくても、敵対しているわけではないという表情やしぐさは見せておいたほうがいい。顔も見たくないという気持ちもわかるが、顔も見なければ悪いほうへの深読みは始まってしまう。