新しく報道番組が始まるときも必ず「ニュースをわかりやすく!」って言い出しますよね。わかりやすくしちゃった時点で、僕はバラエティー寄りなんじゃないかと思うんです。ゲラゲラ笑うだけじゃなくて、政治とか国際情勢とかをわかりやすくみなさんに提供しようっていうバラエティー。情報番組って時代の鏡だと思うから、「わかりやすく」「やわらかに」っていういまの時代は芸人みたいなのが必要なんですよ。

 それで何が変わるかというと、視聴者が文句を言いやすくなるんです。いままでは情報番組とかニュース番組ってはけ口が無かった。「◯◯大学の教授です」とか、「◯◯の専門家です」とか、「ジャーナリストです」って人が出てくると、テレビを見ていて「こいつ大っ嫌いなんだよ、こんなことばっかり言って」「こいつバカなんだよ」って思っていても、「でも俺より頭いいしな」とか「俺、高卒だしな。この人は早稲田か…」って考えちゃって、言えなくなることって、どっかであったじゃないですか。でも、例えばバラエティータレントとかが出ていたら、視聴者の人ってめちゃくちゃ文句言いやすいんですよね。

 裏を返せば、意外と良い警告なんじゃないの?って思うんですよ。良くも悪くもテレビに参加して、意見が言いやすくなってるんだから。

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