『キングオブコント2017』(TBS系)で準優勝した男女コンビ・にゃんこスターの勢いが止まらない。独創的な縄跳びのコントで視聴者に衝撃を与え、賛否両論の大反響を巻き起こした。

 その後、スポーツ紙の取材で2人が交際中であることが明かされると、そのこと自体が新たに注目の的になった。男女コンビで付き合っているというのが珍しいケースだったからだ。すでに彼らのもとには出演依頼が殺到しているそうで、これから年末にかけてさらなる飛躍が期待されている。

 男女コンビのあり方は時代によって変わる。かつてのお笑い界では、男女コンビというと夫婦や元夫婦による「夫婦漫才」が一般的なスタイルだった。鳳啓助・京唄子、正司敏江・玲児、宮川大助・花子などがその典型である。

 多くの場合、女性の方が口が達者で、男性がそれにやり込められる形で漫才が進められていた。女性の社会的な地位が低い時代だったからこそ、舞台の上で女性側が権力的に振る舞うことが現実離れした爽快感とおかしさを生んでいたのだろう。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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