そんな山田が立ち上げた会社は、Eコマースやライブ配信などITと密接な関係の事業を展開していくという。

 芸能人の副業といえば、かつては飲食店経営などが定番だった。

 最近でも、タレント・はるな愛やお笑い芸人のたむらけんじなど数多くのタレントたちが、自身の知名度やファンの存在、芸能人ならではの幅広い交友関係を武器に飲食店経営に力を注いている。

 また、モデルやアーティストなどオシャレなイメージを売り物にしている芸能人の中にはファッション関連のプロデュース業に精力を注いでいる者もいる。

 全盛期には“経済効果1000億円”とも言われたモデルの益若つばさやストッキングからウエディングドレスまで数々の人気アパレル商品をプロデュースしてきた神田うのなどがその最たる例だろう。

 その一方で、近年ではブログやインスタグラムなどのSNSを駆使して稼いでいる芸能人も多い。

 ブログやインスタグラムを小まめに更新してアクセス数を伸ばして稼いでいる者もいれば、中にはステマすれすれの所業で大儲けしている女性タレントもいる。

 元グラビアアイドルでタレントのYは、最近ほとんどキー局の番組ではその姿を見ないが、インスタグラムで美容グッズやダイエットグッズ、健康食品をそれとなく紹介することで年収1億円近く稼いでいるそうだ。

 もちろん、こうしたギリギリの商売をやっているのは一部の芸能人だけだろうし、長くは続かないと思うが…。

 いずれにせよ自身の知名度や影響力を活かせるIT事業は、飲食店経営や商品のプロデュース以上に芸能人と相性の良いビジネスであることは間違いないだろう。

 山田は新会社設立イベントの席で、「私自身、俳優を通じたビジネス経験しかありませんが、イノベーション担当として自分にできることを全力で取り組ませてい頂きます。そして『me&stars』という革新的なサービスを通し、『トランスコスモス』をさらに魅力的な会社へと成長させる一つの鍵となれたらと思います」と語った。

 元々、自己プロデュース能力に長けて、プロ意識の高い山田が、芸能界の枠を超えて企業家としてどんなアクションを起こすのか要注目である。(芸能評論家・三杉武)

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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