鈴木:インスタグラムも一緒ですよね。有名なタレントでも、人気がない人っているんです。見てみると、写真がキレイすぎる。オフショットもメイクがバッチリで美しい(笑)

HI:少し雑なぐらいでいいんです。僕も自分の部屋で撮影してますから。

鈴木:テレビって、どうしてもボリュームの大きい40代、50代、60代といった層をターゲットに作ってしまうことも多い。それが10代、20代の層にYouTuber人気が出ている。この年齢層の人たちは今後もYouTubeを見続けていくだろうから、30代、40代向けのものも増えてくるんじゃないかと思うんですよね。

HI:僕ももう少しで30代ですが、僕らの世代はだいたいYouTubeを見ています。いずれそうなってくるだろうと思います。

鈴木:一方で、これだけ視聴者がいると番組にウソや誇張があると批判を受けやすくなるという厳しさもある。

HI:商品紹介の動画でも、正直に感想は言うようにしています。ただ、食べ物や飲み物を「おいしい」と言い切ってしまうと、「買ってみたけどおいしくねー」と批判されることもある。なので、「87点」って点数をつけたり、自分はおいしく感じても「味は薄めかもしれないですね」といった感想も付け加えるようにしています。スポンサー付きの動画は、冒頭にそのことをちゃんと知らせるようにもしています。

鈴木:昔、映画の推薦コメントを頼まれたんだけど、作品の内容がよく理解できなかったことがあったんです。それでも頼まれちゃったから、書いちゃったんですよね。そしたら、ある映画コメンテーターの方から「おさむちゃん、あの映画、本当に面白いと思った?」と聞かれた。それで「実は理解できなかったんです」と言ったら、「あなたの言葉を読んで1800円払っている人が今日いるからね」と言われた。それがグサッときた。今でも貴重な教訓です。

HI:YouTuberにも似たような葛藤や揺れがあると思うんです。うまくいっていると仕事はたくさんいただけます。でも、お断りしているYouTuberも中にはいます。テレビCMに出ているタレントとは違うんですよね。一時の収入に惑わされるのではなく、自分の番組にマッチングしない仕事は断った方が、長期的にはプラスになるだろうと思っています。

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