非公式ながら日本人の間でファンクラブを結成したインドネシア在住の男性は「実質このファンクラブはネットを中心に活動しています。現在も駐在員7人ほどで一緒に劇場に行ったり、初めて訪れる人に入場の仕方を教えたりしています」と語る。

■日本より熱いJKT4848の総選挙とは?

 AKB48の「選抜総選挙」のように、ジャカルタでも選抜総選挙がある。初開催は2014年。初回投票数は合計20万7022票。3回目の16年は63万1418票まで増えた。

 ちなみにAKB48の今年の投票数は300万人以上。本家に比べると投票数は少ないものの、JKT48の総選挙は毎年過去最高を更新している。

 仲川遥香さんは自著「ガパパ」でインドネシアのファンについて、「インドネシアではまだアイドル文化が根付いていないが、日本のアイドルファンより熱い気がします」と述べている。

 総選挙に行ったことがある日本人男性は当日の現場の雰囲気について、「日本人とインドネシア人のファンが一緒になって推しメン(一押しのメンバー)を応援して、会場に一体感が生まれている」と話す。

 JKT48出身の日本人で最も有名なのは、仲川遥香さんだ。あるファンは「仲川さんは当初、インドネシア語を話せなかった。それでもどんどん活躍していく姿に心を打たれ、JKT48に魅了された」と語る。2012年11月にAKB48から正式移籍した仲川さん。今ではインドネシアの主要バラエティ番組で、インドネシア語で笑いを取る場面も。

 仲川さんはツイッターで2カ国語でつぶやき、フォロワー数130万人を超える。昨年「ツイッターで影響力がある世界の女性15人」で、米歌手ブリトニー・スピアーズさんらを抑え7位に輝いた。

 昨年末にJKT48を卒業したが、仲川さんは現在もインドネシアに残り芸能活動を続けている。後輩にこうエールを送った。
「JKT48は今、大きな大きな壁を登っている途中です。インドネシアだけではなく世界に羽ばたいていってほしいなと思います。日本人の方含めもっとたくさんの人にJKT48を応援してもらえると、私も先輩として、うれしく思います」
(佐藤拓也)