バレンタインの成功に続いたのが、03年に北海道日本ハムの監督に就任したトレイ・ヒルマン。当時の日本ハムにはSHINJO(新庄剛志)や小笠原道大などのスター選手が所属し、北海道移転で地元密着を図ったチームでさまざまなファンサービスを考案して人気を博した。監督としての実力も一流で、就任2年目の04年にレギュラーシーズン3位でプレーオフ進出を果たし、06年にはレギュラーシーズン1位でプレーオフも制し、日本シリーズでも中日を破り、さらにアジアシリーズも勝ち抜いた。優勝の度に発した「シンジラレナーイ」は、この年の流行語大賞に選ばれた。

 大成功した2人の影には、期待に応えられなかった外国人監督もいた。03年にはロッテ、大洋、ヤクルトの10年間で通算268本塁打を記録したレオン・リーがオリックスの監督となったが、成績不振で1年限りで退団となった。06年から5年間、広島と東北楽天で監督を務めたのがマーティ・ブラウン。ハッスルプレーの外野手として広島で3年間プレーしたブラウンは、現役引退後に米マイナーリーグで最優秀監督に選ばれた手腕を評価され、広島監督に就任。長期低迷の続くチームを立て直すべく、さまざまな改革に取り組み、グラウンド以外でも積極的なファンサービスで人気は高かった。しかし、旧広島市民球場の最終年とマツダスタジアム元年というメモリアルイヤーでもAクラス進出はならず、話題になるのは審判の判定に抗議する際のベース投げなど、パフォーマンスの部分が多かった。東北楽天でも最下位に低迷して1年で解任と、日本で結果を残すことはできなかった。

 16年からDeNAを率いるラミレスは外国人選手として史上初の NPB通算2000安打を達成し、監督としてもDeNAを球団初のクライマックスシリーズ進出に導き、今後の飛躍が期待されている。フランコが千葉ロッテの監督に就任すれば、MLB通算2586安打と史上最も実績のあるメジャーリーガーのNPB監督就任になるだけに、実現すれば大きな話題になりそうだ。