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「テレワーク・デイ」では生産性は向上しない

瀬戸和信(せと・かずのぶ)/テクノロジーマーケター。1978年、石川県金沢市出身。NETATMO(ネタトモ)日本代表。デル、日本エイサー、日本オラクル、日本マイクロソフト、フィットビット・ジャパンでシニアマネジメント職を歴任後、現職。マイクロソフトで「2 in 1(Surface)」、エイサーで「ネットブック」という「新しい概念」を日本に定着させ商品をヒットさせた

瀬戸和信(せと・かずのぶ)/テクノロジーマーケター。1978年、石川県金沢市出身。NETATMO(ネタトモ)日本代表。デル、日本エイサー、日本オラクル、日本マイクロソフト、フィットビット・ジャパンでシニアマネジメント職を歴任後、現職。マイクロソフトで「2 in 1(Surface)」、エイサーで「ネットブック」という「新しい概念」を日本に定着させ商品をヒットさせた

■毎日同じ時間にテレワークを適用すればいいのか?

 テレワークを実践する上で忘れてはいけないことがあります。それは、従業員一人ひとりのスケジュールは日々変わるということです。

 テレワークに適したスケジュールの日もあれば、そうでない日もあります。また、必ずしも毎日同じ時間帯にテレワークをすればいいというものでもありません。自分がかかわっているプロジェクトの進行具合、ライフスタイルなどと相談しながら、その日に最も適した行動をとることができる自由裁量という土台が大事です。

 7月24日は全国で6万人がテレワーク・デイに参加しました。テレワークに参加した自由裁量がある大手企業の知人に話を聞いたところ、その企業の社員たちは、私と同様に自宅で仕事をした人、カフェで仕事をした人、そしてレンタル・シェア・サービスオフィスで仕事をした人が多かったようです。また、ソーシャルメディア上で参加者たちの動向を見てみると、レンタル・シェア・サービスオフィスで仕事をした人は、比較的自宅から近い場所を利用している傾向にあるようでした。わざわざ会社のオフィスに移動しなくても、簡単なレポートや分析などは、自宅近くの集中できる場所で効率よく行ったようです。

■生産性の問題はテレワークと別のところにある

 テクノロジー企業に勤める知人女性は、管理職の立場から別の視点でテレワーク・デイを見ていました。テレワーク・デイに参加することで、自社の生産性の問題はテレワークと別のところにあることに気づかされたのです。

 それは、仕事をするコアメンバーが少なければ少ないほど、人のモチベーションは高くなり、生産性も発揮しやすく、逆に、コアメンバーが多ければ多いほど、人のモチベーションは低くなり、生産性も低下するというものです。

 彼女が勤める企業は比較的自由裁量ですが、プロジェクトにかわわるコアメンバーが30名を超えているために、責任感が薄れモチベーションが低下している状態だといいます。それゆえ、テレワークをしてもしなくても、さほど生産性に変化はないということに気づかされたというのです。

 この感覚を彼女はフランスの心理学者・リンゲルマン(Maximilien Ringelmann)が100年も前に行った有名な実験で説明します。運動会で行う綱引きを想像してください。1人で綱引きをする時の力の入り具合を100%だとすると、2人で綱を引いた時の1人当たりの力は93%に減少、3人で綱を引いた時は85%、8人になると1人当たり49%にまで減少します。つまり、一人ひとりがベストを尽くしていない状態なのです。


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