さらに視察が終わった後の囲み会見では首相と今村復興相が2人で並んだが、こちらも口を開いたのは首相のみ。そもそも質問を受けつけたのは、随行した内閣記者会からの代表質問2つだけで、「復興相の発言が物議をかもしているが」と問われると、首相が「私からも率直にお詫びを申し上げたい」と代わりに謝った。


 
 今村復興相の直接謝罪を期待していた参加者に失望が広がった。
「『自己責任』発言について私たちにゴメンナサイと言ってもらえれば、少しは怒りが収まったのに」(50代男性)
「あれでは何のためにわざわざ来たのか?ますます国にがっかりした」(40代男性)

 2人を案内した桜井勝延南相馬市長もこう突き放す。
「今村氏はアマチャン。被災者が発言をどう受け取るかを考えたら、ああいう失言ではなく、まずは『原発事故で大変ご迷惑をおかけしております』くらい言うべきだった」

 失言を挽回するせっかくのチャンスを生かせなかったようだ。
(ジャーナリスト 桐島瞬)