■ソフトバンク

補強ポイント】
・内川、松田を脅かすスケールの大きい内野手
・リリーフの柱になれる投手

 昨年はまさかの大逆転で優勝を逃したものの、層の厚さは間違いなく12球団でナンバーワン。先発投手は和田毅(37歳)、武田翔太(24歳)、千賀滉大(24歳)、東浜巨(27歳)、バンデンハーク(32歳)、中田賢一(35歳)とスムーズに6人名前が挙がる。それに加えて攝津正(35歳)、大隣憲司(33歳)、山田大樹(29歳)、寺原隼人(34歳)の実績組、24歳以下の若手に高橋純平(20歳)、松本裕樹(21歳)、笠原大芽(22歳)とスケールの大きい投手が揃い、大物ルーキーの田中正義を当てにする必要がないというのが現状である。少し気になるのはリリーフ陣。守護神のサファテ(36歳)とセットアッパーの五十嵐亮太(38歳)完全にベテランの域に入り森福允彦も巨人に移籍した。森唯斗(25歳)、岩嵜翔(28歳)、スアレス(26歳)、飯田優也(27歳)など力のある投手は多いが、太い柱が一人欲しいところである。

 一方の野手も豪華なメンバーだが、投手に比べると主力の高齢化が目立つ。レギュラーで最も若いのが今宮健太の26歳。外野手は昨年のU-23W杯でMVPとブレークした真砂勇介(23歳)、昨年の二軍の盗塁王である釜本豪(24歳)、一昨年に二軍で首位打者に輝いた上林誠知(22歳)などが控えているが、内野では内川聖一(35歳)、松田宣浩(34歳)を脅かす存在はまだ見当たらない。長年レギュラーを固定できていない捕手は斐紹(25歳)、甲斐(25歳)、栗原隆矢(21歳)の若手に加えて昨年のドラフトでも高校ナンバーワン捕手の九鬼隆平(19歳)を獲得できただけに、数年先を考えるとスケールの大きい内野手を補強したいところだ。

 投手と野手を比べると、やはり補強したいのは将来の柱となる野手である。スケールの大きい内野手で真っ先に思い浮かぶのは清宮と安田尚憲(履正社・三塁手)の二人。清宮は王貞治会長が高校の大先輩で、同じタイプの松中信彦を育った実績があるのは追い風。安田もスケールでは引けをとらず、サードを守れるというのは清宮にない魅力である。二人は競合の可能性が極めて高いため、逃した場合におすすめしたいのは北村拓己(亜細亜大・三塁手)だ。安定したサードの守備、年々アップしている長打力は大学の先輩である松田に重なる。名門でプレーしてきた経験も強みだ。

 リリーフタイプの投手では地元の九州出身でもある草場亮太(九州産業大)を推したい。大学生にしては体つきもフォームも未完成だがそれでも150kmを超える馬力が魅力。同じタイプでプロ経験もわずかだったスアレスを1年目から戦力に育てたことも追い風になるだろう。

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