■ロッテ

補強ポイント】
・将来のエースが期待できる高校生投手
・長打力のある外野手

 先発投手陣は昨年最優秀防御率を獲得した石川歩(29歳)、一昨年の最多勝投手である涌井秀章(31歳)の両輪が安定していることが最大の強み。更に実績のある唐川侑己(28歳)、抑えから転向する西野勇士(26歳)、昨年結果を残した二木康太(22歳)と関谷亮太(26歳)が続き、佐々木千隼(23歳)、酒居知史(24歳)の上位指名ルーキー二人も即戦力として期待できる。リリーフも抑えの益田直也(28歳)に安定感があり、そこに繋ぐ南昌輝(28歳)、松永昂大(29歳)、内竜也(32歳)なども計算できるメンバーだ。足りないのはとにかく若さ。24歳以下で戦力と呼べるのは二木だけ。統一ドラフトとなった08年以降、2位以上で指名した高校生が一人もいないことがその原因であることは間違いない。即戦力は必要ないだけに、将来性豊かなスケールの大きい投手を指名したい。

 野手は昨年二桁ホームランを記録した日本人選手はゼロ。24本塁打のデスパイネ、10本塁打のナバーロも退団しており今年も完全に外国人頼みになる。それでも見通しが明るいのは内野に楽しみな選手が多いから。捕手は田村龍弘(23歳)が昨年ベストナインを獲得し、キャプテンの鈴木大地(28歳)がセカンド、中軸候補の中村奨吾(25歳)がサードに入り、一昨年のドラフト1位平沢大河(20歳)がショートに入れば非常に魅力的な布陣となる。バックアップにも根元俊一(34歳)、細谷圭(29歳)と実績がある選手がいるのも心強い。外野は角中勝也(30歳)、岡田幸文(33歳)、荻野貴司(32歳)、清田育宏(31歳)、伊志嶺翔大(29歳)と実績のある選手が多いが全員が30歳前後で大きな上積みは期待しづらいのが課題である。ブレークの兆しのある若手は昨年二軍で11本塁打を放った育成選手出身の肘井竜蔵(22歳)くらいしか見当たらないため、将来への備えが必要だろう。

 慢性的な長打力不足のため清宮、安田の和製大砲に向かいたいところだが、92年に千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)にフランチャイズを移してから日本人で30本塁打を記録した選手が一人もいない現状を考えると、育成の難しい高校生スラッガーは推しづらい。そこでおすすめしたいのが増田珠(横浜・外野手)だ。高校生でも高いレベルで三拍子揃っており、欠点らしい欠点がないのが特長。長距離打者ではないがスタンドまで運ぶ力もあり、昨年引退したサブローの後継者としてぴったり当てはまる。肘井の成長を促す効果も期待できるだろう。

 投手は球威で押せるタイプの高校生投手が欲しい。昨年に比べると現時点では少し顔ぶれが寂しいものの石川翔(青藍泰斗)、竹田祐(履正社)の二人はスケールの大きさと一定の完成度を備えているだけに、ぜひ指名を検討してもらいたい。

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