なぜ“世界レベル”の日本人センターバックは生まれないのか? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜ“世界レベル”の日本人センターバックは生まれないのか?

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海外トップリーグでプレーする日本人センターバックは吉田麻也(写真左)のみ。(写真:Getty Images)

海外トップリーグでプレーする日本人センターバックは吉田麻也(写真左)のみ。(写真:Getty Images)

 クラブW杯準々決勝、アフリカ代表のマメロディ・サンダウンズ戦では、鹿島アントラーズのCB昌子源がアフリカ選手特有の動きにとことん手を焼いた。前半、無失点に抑えることができたのは僥倖に近かった。簡単に体を入れ替わられ、劣勢を強いられた。昌子は弱点の少ないDFで、守備も攻撃もエレガント。今季のJリーグで1、2を争うCBだが、大胆に一対一を挑む相手の間合いに対応できなかった。

 Jリーグでは組織を作ると、相手のアタッカーもそこまで無理に攻めかかってこない。そこで守りの主導権を得て、プレスバックで挟んだり、ミスを誘発したりできる。しかし世界では少しでも隙があれば、独力で突破を試み、その中でコンビネーションを入れてくる。日本人CBはそこで後手に回ってしまう。アジアチャンピオンズリーグでさえ、そうしたシーンが目立つ。

 現在、最も「世界」に近い日本人CBは、スペイン2部のジムナスティック・タラゴナでプレーする鈴木大輔だろう。毛色の違う実力者と対戦を重ね、着実に力をつけている。読みの良いディフェンス、ラインコントロール、フィードの質が絶賛され、現地では「極東の皇帝」とも呼ばれる。昨季は3位でプレーオフに進出し、守備陣の中心になっている。プレーの質は、柏レイソル時代と比べものにならないだろう。

 鈴木の例を引き合いに出すなら、こうも言い換えられる。

「厳しい戦いを触媒にすることで、日本人CBも世界レベルに成長できる」

 クラブW杯準決勝に進んだ昌子は、南米王者アトレティコ・ナシオナルの猛攻に怯まず、金星に大貢献。経験を糧に、コロンビア代表級の選手と互角以上に渡り合っていた。日本人CBの資質が劣っているわけではない。(文=スポーツライター・小宮良之)


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