GPファイナルで史上初の4連覇を達成した羽生結弦(写真提供:Getty Images)
GPファイナルで史上初の4連覇を達成した羽生結弦(写真提供:Getty Images)

 先週末に開催されたISUグランプリ(GP)ファイナル。羽生結弦(22)が男女シングルを通じて史上初の4連覇を達成したほか、宇野昌磨(18)も銅メダルをつかんだ。女子もまた、宮原知子(18)が銀メダル、シリーズ参戦4年目でのファイナル初出場となったジュニア女子・坂本花織(16)が銅メダルをそれぞれ獲得した。さらに、羽生、宇野、宮原による覚悟を決めた『PPAP』と、終幕のエキシビションまで強豪日本が存在感を示した。

 これで2018年に開かれる平昌(ピョンチャン)五輪に向けて、欧州勢と四大陸(北米、アジア)勢が対戦するのは、残すところ3月末の世界選手権と来季のGPファイナルのみとなった。今後、男女トップシーンの勢力図はどう動くのだろうか。

 男子は、ショート、フリー、総合の世界記録ホルダー、羽生を軸に今後も巡っていくだろう。今大会でも、羽生のフリーでの失速の後、ベテラン2人が勝機を意識したのか。世界選手権2連覇中のハビエル・フェルナンデス(25、スペイン)と世界選手権過去3連覇のパトリック・チャン(25、カナダ)は共にジャンプで失敗し、若手2人、ネイサン・チェン(17、アメリカ)と宇野がメダルに輝いた。

 先頭を走る羽生が4回転をショートとフリーで計6本構成する限り、勝利には羽生以上の本数の4回転成功が求められる。フィギュアスケートの得点は技術点と演技構成点の合計で、ジャッジの評価点である演技構成点は男子で150点満点となる。この上限があるため、演技構成点の高い男子上位陣の争いは、技術点の勝負になっている。フィギュアスケートではジャンプの回転数が技術点を高くし、男子で計11回あるジャンプの出来栄え点も得点を左右する。より多く、より美しく回れるか。このシビれるスポーツ性が今の男子シングルの魅力だ。

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