31歳となり衰えも指摘されるC・ロナウド(写真:Getty Images)
31歳となり衰えも指摘されるC・ロナウド(写真:Getty Images)

「誰も“次のクリスティアーノ・ロナウド”にはなれない」

 C・ロナウドは高らかに謳う。我の前に人なし、我の後ろに人なしといったところか。ポルトガル人スターは唯我独尊で、華々しい栄光に浴してきた。

 しかしながら、ここ1年のC・ロナウドのプレー水準は明らかに落ちている。

 「筋肉系の故障を絶えず抱え、治癒力が落ちているのも明らか。30歳を過ぎて(現在31歳)衰えが顕著になった」と囁かれる。実際、今シーズンはシュートを外すシーンも目立ち、ホームでブーイングを浴びるほどだ。

 では、英雄C・ロナウドは終わってしまったのか?

「左サイドからカットインし、鋭いシュートを叩き込む」

 そのプレーは、これまでのC・ロナウドの「代名詞」だった。まるで漫画のヒーローの必殺技のようで、彼が走り出すと誰も止められない。なんでもないようにも見えるまたぎフェイントだが、相手を威圧する迫力がある。そして切り込んだときの右足の振り抜きは、鞭がしなるが如く。叩かれたボールは、肉食獣が唸りを上げるようにネットへと突き刺さった。

 しかしこの1年、その鋭さが失われている。トップスピードに乗れずにディフェンダーに追いつかれ、行く手を阻まれる。あるいは、どうにかシュートポジションに入っても、走ることに力を使い果たしたのか、シュート精度が低い。重心が高く、宙高くバーを超えてしまう。

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