ケルンで攻撃の中心を担うFW大迫(写真:Getty Images)
ケルンで攻撃の中心を担うFW大迫(写真:Getty Images)

 日本代表は11月11日、オマーンとの国際親善試合を行う。日本代表が公式戦、すなわちW杯アジア最終予選以外の試合をするのは、今年6月のキリンカップ以来。勝敗を度外視して戦えるこの「テストマッチ」を有効活用したいところだ。

 ここまでW杯アジア最終予選を4試合戦い、2勝1敗1分けの日本。初戦でいきなりUAEに敗れた後は、2勝1分けと数字のうえでは巻き返してきたものの、試合内容に目を向ければ、それほど芳しいものではない。

 今回のオマーン戦では、選手間競争を活性化させ、チーム内に漂う停滞感を少しでも払拭させるためにも、新たな選手の起用を勧めたい。

 今回、日本代表に招集されたメンバーには、10月の2試合では呼ばれていなかった選手が4名、すなわち大迫勇也(ケルン/ドイツ)、久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)、小林祐希(ヘーレンフェーン/オランダ)、井手口陽介(G大阪)が加わった。

 なかでも注目すべきは、大迫だろう。ケルンでプレーする大迫は今季、レギュラーポジションを確保し、ブンデスリーガで2ゴールを挙げるなど、攻撃の中心的役割を担っている。所属クラブで思うように出場機会を得られていない海外組が多いなか、その好調ぶりは際立っている。

 日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「より多くの得点ができる選手を探している」と話しているだけに、大迫に寄せる期待は大きいだろう。久しぶりの代表復帰であり、オマーン戦は周囲との連係を確認する絶好の機会となるはずだ。

 同じFWの久保については、ハリルホジッチ監督は彼の起用に合わせて、2トップを採用する可能性も示唆している。日本代表はこれまで主に、中央にFWをひとり置く1トップを採用してきたが、ここをふたりにすることで、得点力アップを図ろうということだ。

 指揮官は「久保は2トップのセカンドストライカータイプ」と位置づけており、久保の起用は単なる新戦力発掘というだけでなく、フォーメーションのうえでも新たなオプションを探るテストにもなる。

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