陽岱鋼は故障に苦しんだが、打率8位の.293、14本塁打、61打点と復活の兆しを見せた。抜群に広い守備範囲もアピールになる。平田は打率こそ.248と低いが、14本塁打、73打点の勝負強さと強肩が武器。聖澤は出場機会が少なくなっているが、2012年の盗塁王で俊足が最大の持ち味だ。

 投手の注目は、通算103勝の岸孝之(西武)だ。過去7度も2桁勝利をマーク。今季は規定投球回には届かなかったが、防御率2.49で9勝(7敗)を挙げた。宮城県出身で、大学(東北学院大)までを宮城で過ごしており、地元の楽天が調査を行っている模様だ。今季推定年俸が2億2500万円でAランクだが、獲得できれば大きな戦力になりそうだ。

 今季は岸以上の勝ち星を挙げたのが、山口俊(DeNA)だ。本格的に先発転向してから3年目で自己最多の11勝(5敗)。まだ29歳の若さも魅力だ。チームが山口入団の06年以降では最高となる順位(3位)となり、初めてクライマックスシリーズに進出。閑古鳥が鳴いていたスタンドは連日のように満員となり、来季は優勝も狙える位置にいる。チームへの愛着と、他球団から金銭面の評価を聞いてみたいという欲求。この2つにどう折り合いをつけるのかが、鍵となりそうだ。

 他に投手では、変則サイド左腕の森福允彦(ソフトバンク)も、動向が注目される。推定年俸(1億2000万円)がCランクとみられており、補償が不要な点は大きい。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)