もっともその実力は同年代では抜きんでており、今年からは中学生でありながらも、高校生が主体となるFC東京U-18に飛び級で昇格。さらに9月には2種チームに所属しながらトップチームでのプレーが可能となる2種登録選手となり、2004年に東京ヴェルディでJリーグデビューを果たした森本貴幸(現川崎フロンターレ)以来となる中学生Jリーガーの誕生に注目が集まっている。

 身長167センチ、体重59キロと中学3年生としては平均的な体格の久保だが、上のカテゴリーでも輝きを放てるのは、やはりその技術の高さによるだろう。なかでも際立つのは、スピードに乗りながらも細かいタッチで相手を翻弄するドリブルだ。視野の広さを生かしたコース取りも巧みで、スルスルと危険なエリアに侵入していくプレーこそが久保の真骨頂だろう。

 ドリブルだけでなくバイタルエリアでボールを引き出すプレーにも秀でており、左足でコンパクトに振り抜くシュートがこれまた正確。直接FKも武器としており、AFC U-16選手権でも初戦のベトナム戦で鮮やかなFKを突き刺している。

 FC東京U-18では今夏の日本クラブユースサッカー選手権で、5ゴールを挙げて得点王を獲得。高校生相手にもその能力の高さを遺憾なく発揮し、チームの優勝の立役者となった。

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