新たな役割を期待されるドルトムントMF香川(写真:Getty Images)
新たな役割を期待されるドルトムントMF香川(写真:Getty Images)

 欧州サッカーは続々と新シーズンのスタートを迎え、ドイツ・ブンデスリーガもいよいよ現地時間8月26日に開幕する。優勝候補の筆頭はもちろんカルロ・アンチェロッティ率いるバイエルンだが、プレシーズンの話題は「新生ドルトムント」がほぼ独占した。トーマス・トゥヘル体制2年目のチームは、どんな化学反応を起こすか分からない、最も楽しみな存在として注目されている。

 主力だったDFマッツ・フンメルス、MFヘンリク・ムヒタリアン、MFイルカイ・ギュンドアンの3選手が去ったことは痛いが、ドルトムントはオフに活きのいい若手を手に入れている。なかでもスピードとエネルギーに満ちたFWウスマン・デンベレのフィット感は抜群。心配されたフンメルスの穴も、バルセロナ(スペイン)から加入したDFマルク・バルトラが埋めてみせると意欲満々で、頼もしい限りだ。

 しかし、トゥヘルには気掛かりな点がひとつある。それはチームの支柱がいないことだ。退団した3選手は、パフォーマンスはもとより、屋台骨としても重要な存在だった。その役目はチームとともに進化し、ともに天国も地獄も味わってきた選手が背負うものだ。新加入のMFアンドレ・シュールレも、出戻りのMFマリオ・ゲッツェもまだその立場にはない。中心選手となるべきMFマルコ・ロイスはケガでまだ戻れない。そしてドイツメディアは口を揃えて言う。

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