都市対抗野球の舞台となる東京ドーム
都市対抗野球の舞台となる東京ドーム

 第87回都市対抗野球大会は、7月26日にトヨタ自動車(豊田市)の初優勝で幕を閉じた。

 この大会は1936年に始まったプロ野球より、9年も長い歴史を持っている。出場チームには決勝戦を戦ったトヨタ自動車と日立製作所はもちろん、ホンダ、NTT、新日鐵住金、東芝、パナソニック、JR各社といった日本を代表する大企業が名を連ねていた。都市対抗こそは、企業スポーツの王道を行くイベントと言っていいだろう。

 長期のトレンドを見れば企業スポーツは失速気味で、社会人野球も御多分に漏れずバブル崩壊の影響を強く受けた。休廃部や統合が相次ぎ、チーム数も最盛期の4分の1程度まで減少している。しかし低空飛行を続ける日本経済と違い、ここ数年の都市対抗は上げ潮だ。今大会の決勝戦も、3万7千人の観客が集まった。その熱気は間違いなく、日本シリーズや甲子園に匹敵するものだ。

 ただプロ野球や甲子園に比べると、都市対抗はマニアックだ。主催社の毎日新聞を除けば、マスメディアが取り上げることも少ない。しかし今の時代はWebがあって、選手やチームの情報は細かく広がっている。また今大会は31試合の大半をJ SPORTSが生中継していた。ややマイナーな分野ではあっても、試合を楽しむだけの情報は揃っているのだ。

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