各国で異なる大会中の“アモーレ”との面会。イブラヒモヴィッチには別の原動力が…(写真:Getty Images)
各国で異なる大会中の“アモーレ”との面会。イブラヒモヴィッチには別の原動力が…(写真:Getty Images)

「試合前のセックス? うちの選手には好きなようにさせるよ。ハーフタイムはダメだけど」

 かつてドイツ代表を率いたベルティ・フォクツがEURO96を前に発した有名なコメントである。フォクツの下、選手たちは妻や恋人(長友佑都に倣って言うとアモーレ)に自由に会うことが許され、欧州王者となった。

 W杯やEUROのようなビッグトーナメントを前に代表監督が頭を悩ませるのは、選手と“アモーレ”の面会を認めるかどうかだ。平たく言ってしまえば、「セックス禁止令を出すかどうか」である。フォクツは許したが、ファビオ・カペッロのように禁欲を命じる指揮官もいる。性交渉が選手の疲労や闘争心の低下を招くというのが主な理由だ。

 もっとも、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナのように「毎日最低1回、でないと頭痛がする」という選手もいれば、元スウェーデン代表のフレドリック・ユングベリのように、「試合前にセックスをすると、足からすべてが抜けてしまう。完全に空っぽになる」という選手もおり、どちらが良いとは一概に言えない。

 それでも指揮官はどちらかに決めなくてはならない。パフォーマンス面の影響はもちろん、規律面も考えなくてはならない。というわけで、EURO2016に参戦するチームの指揮官も、それぞれ決断を下した。

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