キャンディス・スプリングス(2016年5月25日 撮影:濱谷幸江)
キャンディス・スプリングス(2016年5月25日 撮影:濱谷幸江)
キャンディス・スプリングス(2016年5月25日 撮影:濱谷幸江)
キャンディス・スプリングス(2016年5月25日 撮影:濱谷幸江)

「YouTubeに歌をアップしたら、プリンスからツイッターでメッセージが来たの。まさかあのプリンスが? うそだと思ったわ。そしたらレコード会社に本人が電話をくれた。3日後にはもう(プリンスのスタジオである)ペイズリー・パークで歌っていたの」。

 こう語るのはアメリカの女性シンガー・ソングライター、キャンディス・スプリングス。メジャー・デビュー作『ソウル・アイズ』(7月1日リリース)の発売に先駆け、5月25日に東京・cafe104.5で行われたコンベンションからのひとこまだ。

 プロの音楽家になるきっかけを与えたのは、父親が買ったノラ・ジョーンズのアルバム(『ノラ・ジョーンズ(Come Away With Me)』)。まだ少女だったキャンディスは、若い女性がピアノを弾いて歌っていることに感銘を受け、自身もピアノ弾き語りの道へ進もうと考えた。その後サム・スミスのヒット曲「ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい」を独自にアレンジし、YouTubeにアップ。冒頭の話へとつながる。

 「プリンスにはとても保守的な面があったの。私が薄着でいると、“もっと肌を隠しなさい”とジャケットをくれたり。スタジオのまわりを一緒にサイクリングしたのも楽しい思い出ね」
 
 訃報が届いた日、彼女はロンドンで歌っていた。客席はプリンスが愛した紫一色に染まり、全員が天才の急逝を惜しんだ。

「プリンスは音楽家として、人間として、友人として、本当に素晴らしかった。彼がこの世を去ってしまったとは、今も信じられないわ」