ロシアという国のアンバランスさを思う <下川裕治のどこへと訊かれて> (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ロシアという国のアンバランスさを思う <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

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ナウシキ駅。駅舎内には小さな売店がひとつあるだけだ

ナウシキ駅。駅舎内には小さな売店がひとつあるだけだ

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版、「世界の空港・駅から」。第4回はロシアのナウシキ駅から。

*  *  *
「こういう駅舎だったのか……」

 改めて見あげてしまった。

 ナウシキ駅。

 モンゴルからロシアに列車で入国するとき、最初に停車する駅である。ロシアの入国審査はこの駅で行われる。

 これまで2回、北京発モスクワ行き列車に乗っている。この列車は中国からモンゴルを縦断し、ロシアに入る。

 中国からモンゴル、モンゴルからロシアへの出入国審査はどちらも深夜に行われる。昼間の審査なら、乗客も審査官も負担が少ないのに、なぜこういうスケジュールなのか、いつも疑問に思いながら国境を越えている。

 北京を午前中に発車した列車は、深夜に中国側の国境の街、エレンホトに着く。

 ここで中国の出国審査と台車の付け替え作業が行われる。世界の鉄道は線路幅が違う。日本は狭軌といわれる線路幅で1067ミリ。中国は標準軌で1435ミリ。モンゴルとロシアは広軌で1520ミリか1524ミリになっている。中国を走った列車は、モンゴルとロシア用に車輪幅を設定した台車に替えなくてはならない。

 台車が替わった列車は20分ほど走り、モンゴルの最初の駅、ザミンウード駅に着く。ここでモンゴルの入国審査が行われる。頬の赤い人のよさそうな審査官が車内に乗り込み、パスポートを回収していく。しばらくすると、入国スタンプが押されたパスポートが返ってくる。

 モンゴルに入国した列車は、24時間走り続けてロシアの国境にさしかかる。


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