「書籍」「雑誌」「漫画」は約8割の人が「紙で読みたい」と回答
「書籍」「雑誌」「漫画」は約8割の人が「紙で読みたい」と回答
専用端末である電子書籍リーダーの浸透は、まだまだ進んでいないようだ
専用端末である電子書籍リーダーの浸透は、まだまだ進んでいないようだ
スケジュール管理では、依然紙が人気
スケジュール管理では、依然紙が人気

 紙かデジタルか。ここ数年問われ続けた論争に、いまだ決着はみられていない。しかし、日本製紙連合会が20代~50代のビジネスパーソンを対象に行った意識調査によると、「書籍」「雑誌」「漫画」は約8割の人が「紙で読みたい」と回答したという。

 さらにアメリカでは92%の大学生が電子書籍よりも紙の本を好むという調査結果もあり、紙媒体の根強い人気を伺うことができる。

 日本製紙連合会が行った調査で「デジタルより紙の方がうれしいもの」を聞いたところ、「書籍」(60.3%)が最も多く、次に「手紙」(53.7%)、「漫画」(53.3%)と続いた。一方、「今後デジタル化して使いたいもの」を聞いたところ、「地図」(75.3%)が最も多く、次に「簡単なメッセージ」(65.3%)が挙げられた。

 さらに「電子書籍を使ったことがあるか」との質問には半数以上の56.3%が経験があると回答。しかし、経験者のうちの59.8%はスマートフォンで閲覧しており、専用端末である電子書籍リーダーは最も低く4.1%と、まだまだ浸透していないことがうかがえた。

 電子書籍を使ったことのある人に使用する場所やシチュエーションを聞いたところ、「自宅」が63.3%と最も多く、7割の人が「電子書籍の良さは持ち運びに便利」と答えたにもかかわらず、結局は持ち運んではいないことが明らかとなった。

 同じく、今後書籍や雑誌のデジタル化が「進む」と思っている人が約8割に対して、今後使う頻度が増えると思っている人は約4割と、需要と供給でいうと需要が追いついていない印象を受けた。

 一方、スケジュール管理について聞いたところ、紙の「手帳」が43.3%で最も多く、スマートフォンで管理すると回答した人は30.7%に留まった。紙を選んだ理由の多くは「慣れ親しんでいるから」(69.0%)、「書き込みたいから」(55.1%)、「見やすいから」(55.1%)で、手帳の需要は今後も続きそうだ。

 ちなみに、「手帳にスケジュール以外に書くこと」を聞いたところ、「to doリスト」(40.8%)、「買う予定のもの」(32.3%)などが挙げられ、ビジネスや日常生活で手帳を活用していることがわかった。

 その一方、スケジュールのみを書くという回答も23.8%あり、特に男性は平均よりも7.8ポイント高い31.6%がスケジュールを書くことのみに使っているという。また、女性の4人に1人が「欲しいもの」を手帳に記入していることもわかった。

 紙かデジタルか。今後は紙とデジタルの共存が大きな課題になるのかもしれない。