そして、いろんなお医者さんのガンに関する本を読んだ。
そして、セカンドオピニオンも見つけた。
いろんな人の話を聴くたびに、「自分で答えを出すしかない」と、思えてきたらしい。
「これも、わたしの運命だと思って、自分で納得の行くようにしょうと思ったの」
そう彼女は言った。
私自身も、阪神大震災の後、どうしていいかわからなかった。
仕事はまったくない。でも、経営者だったわたしは、社員に給料も払わなければならない。
家賃も社会保険も払わなければならない。
出て行くお金はあるのに、入ってくるお金はない。
最初は、ジタバタした。でも、ジタバタしてもどうしょうもない。
「なるようにしかならない」
状況を受け止めて、開き直って、失ったものよりもあるものに目を向けた。
時間だけは山ほどあった。
「時間があれば何をしたかったか」
考えて、考えて、文章を書きだした。
それが、一冊目の本、『吉本興業女マネージャー奮戦記「そんなアホな!」』(朝日文庫)で、ロングセラーとなって、いろんなチャンスをもらうことになった。
だから、わたしは、伝えたい。
何か起こった時、
「目の前で起こっていることは起こっていること。これを受け止めるしかない」
と思うことがどれだけ大切かを。