「あのとき、こうしていれば……」

 人生を振り返り、別の道を選んでいれば、自分はもっとすごい人間になっていたはずと後悔している人は多いでしょう。でも、それって本当でしょうか。結局、そこには「別の後悔」が待っていただけかもしれません。

 ただ漫然と生きている人を待っているのは、恐らく後悔だけ。そんな人生から抜け出すために大事なのが、「本気」を出すことです。自分にしっかりと向き合って、自分の信じる道を進んでいけば、その先に失敗があったとしても、決して後悔はしないはず。しかし、そうは言っても……がんばっている必死さを、周りの人に嘲笑されて、冷めてしまうかもしれません。あるいは自分を追い詰めすぎて、潰れてしまうこともあるでしょう。

 簡単なようで、じつは誰も教えてくれなかった「本気」の出し方。そのためのヒントを小玉歩著『あなたはまだ本気出してないだけ』(朝日新聞出版)から探ってみましょう。

1.LINEはやらない

 LINEは、同質の人間が集まった「ムラ社会」。ムラ社会では、少しでも目立った人間をあざ笑い、「痛いヤツ」、「空気を読めないヤツ」などと、疎むようになります。つまり、「本気」人生にとって、足をひっぱる存在でしかありません。もちろん、そんな雰囲気は無視すればいいのですが、コミュニティに属している以上、完全に視界から排除するのは難しいこと。いっそのことLINEをやめてしまうか、足を引っ張るグループからは抜けてはどうでしょう。

2.ダルい仕事はすぐに手放す

 仕事はやる気で優先順位をつけましょう。日々の業務の中には、「ダルい」と感じることが多々。そんな仕事は手放して、他人に任せてしまいましょう。一方、そんなことをしたら、他の人に迷惑がかかると心配するでしょう。しかし、それは杞憂です。あなたが「ダルい」と思う作業は、ほかの人にとっては充実した仕事となるかもしれないからです。モチベーションを下げる面倒な作業からは離れ、自分にしかできない仕事に本気で取り組みましょう。

3.無意味な恐れを消す

 サラリーマンが最も恐れているのは、実は「上司に叱られること」です。それもたいていたった一人の上司です。「失敗して、怒られたらどうしよう」と萎縮する気持ちが、あなたの本気にブレーキをかけてしまいます。しかし、上司があなたを監督するのは、当然の業務。失敗に対して上司が叱責するのは、業務でありプレイにすぎないのです。人生全般についても同じで、行動にブレーキがかかっているなと感じたら、不安や心配を50個書き出して、検証してみましょう。その大半は、ほとんど杞憂に過ぎないはずです。

4.1日3時間はネットサーフィンで流れを読む

 ネットサーフィンと言えば、時間の無駄遣いの代名詞として扱われることもあります。しかし、他ジャンルや他業種の情報を柔軟に吸収するための手段にもなります。時代の大きな流れをつかむためにも、ネットサーフィンを活用しましょう。LINEと同様、どんなツールも要は使う人の意識しだいなのです。

5.身の回りはイエスマンで固める

 一般的に、周囲にイエスマンばかりを置くと、視野が狭くなって失敗すると言われています。しかし、それは過去のこと。ネットの普及によって、人々の価値観は多種多様になり、それぞれが好みの情報を選んで選択する時代になりました。商品やサービスを提供する側も、自分が得意であったり、好きなジャンルのビジネスに本気で注力しなければ勝負になりません。そんな時に必要なのが、あなたを支え、応援してくれる「イエスマン」なのです。

 本気を出すことは、決して難しいことではありません。考え方をちょっと変えればいいだけです。本気を出して自己満足を追求する。そうすれば、あなたの人生からいつまでも消せない後悔はなくなるはずです。

【関連リンク】
小玉歩「あなたはまだ本気出してないだけ」(朝日新聞出版)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16218