妊娠時に体重が増えるのは、お腹の中で子どもを健康に育てるためには当たり前のこと。それをいとも簡単に元の水準に戻しているように見えるが、どのようなダイエットを行っているのだろうか。

 国の指針では、産後の女性は日常生活の消費カロリーに1日173kcalを追加して、半年を目安に妊娠前の体重に戻すことを指導している。妊娠、出産情報を発信するサイト『出産準備サイト』によれば、「1年をかけてゆっくり体重を落としていくのがいい」という。そう話すのは日本栄養士会会員の管理栄養士で、神奈川県予防医学協会に勤務する今井愛さん。あまりに急いで体重を減らした結果、やつれきって不健康になることが問題で、母乳の場合は乳児にきちんと栄養がいかないという事態にもなる。

 前述の倖田來未さんのケースでは、何の運動もせず減量に成功したこともネット上で話題となったが、母乳育児であればそれも当然のこと。日本女性の平均で母乳は、だいたい1日に780mL出るそうで、これだけで1日に517kcalを消費する。そして、子どもを抱えて歩いたり、家事をすることによってエネルギーを消費し、体重は簡単に落ちるという。今井さんは「母乳で育てるお母さんはむしろ約350kcal分は多くとらなくちゃいけないくらいなんです」と食事制限や減量のための運動はとくに必要ないことを強調する。

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