●台風後にチェックしたい「わずかな損傷」ポイント

 また、瓦と同様に被害を受けやすいのが「窓」部分だ。

 最近はコスト削減のために、1階のみに雨戸を設置し、2階以上の窓は雨戸なし、という家も増えているが、こんな台風時には、やはり雨戸はあった方がいい。シャッタータイプの雨戸なら、工事費用込みで1ヵ所あたり数万~10万円程度で後付けできる。

 強烈な台風が通過した後、気をつけるべきは「悪徳業者」と「わずかな損傷」である。悪徳業者は、台風に限らず地震など、大きな災害に見舞われた地域では必ず見られる。「点検商法」のような手口で、被災者の不安をあおり、「今すぐ修理が必要だ」などと迫ったり、法外な工事代金を請求したりする。

 もう1つの「わずかな損傷」も注意すべきだ。すぐさま修理が必要なほどではないが、軽微な損傷を受けている場合、これを放置しておくと、だんだん家が劣化していくからだ。

 目視で構わないから、外壁のひび割れや剥がれ、屋根瓦の欠けやガタつきなどをチェックすることをおすすめしたい。屋根は通常なら「20年に1回の点検でいい」などと言われているが、今年のようにとんでもない台風が襲来したあとは、一応チェックしておいた方がいい。

 さらに注意したいのは、半地下タイプの構造の家の「排水ポンプ」。急激に水が流れ込んだ時にポンプが動かなければ命に関わる。実際、東京でも過去、死亡例も報告されている。排水ポンプが動くかどうかを定期的に確認するのはもちろん、工務店によっては2台のポンプを備えることを勧める場合もある。非常時には、そのくらい重要になる設備なのだ。

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沖縄の住宅がなぜ台風に強いのか